▼ 〇〇しないと出られない部屋
私とネズさんはスパイクタウンの1室にある部屋に閉じ込められてしまった。
事の始まりは私のポケモンであるエレズンがどこかへ行ってしまった。途中でネズさんも「おれも手伝います」と言って捜索に協力してくれていた。
「エレズンを見つけたはいいけど、ドアが、開かない!」
「ななし、無理やり開けるのはやめたほうがいいです」
とある部屋でエレズンを発見したのはいいが、ドアが急に閉まり、閉じ込められてしまったのだ。
私はドアにエレズンの技を撃ってみるもドアはうんともすんとも言わなかった。ちなみにネズさんは手持ちを回復させていたので手持ちはいない状況だった。
「ごめんなさい、ネズさん。こんなことに巻き込んでしまって」
「別に気にしてねえからいいですよ」
「ん、何か落ちてる……」
私はここで、ドア付近にメモを発見した。
メモには「どちらかがお姫様抱っこして部屋を5周しないと出られない部屋」と書かれていた。
新手の悪戯だろうか。と思いつつ、ネズさんにもメモを見せた。
「……ふざけてやがりますか」
「ですよね。でも、これ、やってみるしかないのかな」
「そうですね……。ドアはうんともすんとも言いませんし、一つ、やってみるしかねえようですね」
「わっ」
ネズさんはそう言って、いきなり私をお姫様抱っこした。あまりにも突然すぎて私は思わず硬直してしまう。
「いきますよ、ななし」
「えっ、ちょっ、ま」
ネズさんは私をお姫様抱っこしたまま部屋を歩き始めた。狭くも広くもない部屋とはいえ抱っこされてる時間が結構長く感じる。
そしてこのまま5周すると、ドアが「ガチャリ」と音がした。
「ネズさん、開きましたよ」
「はい、そうですね」
「って、なんで降ろさないんですか」
ドアが開いたのにも関わらずネズさんは私をお姫様抱っこしたままだった。私はネズさんに「どうしたんですか」と声をかける。
「……もう少し、お前を抱っこしてもいいですか」
「……わかりました」
ネズとあなたは
『とちらかが相手をお姫様抱っこして部屋を5周しないと出られない部屋』に閉じ込められてしまいました。
頑張って脱出してください。
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