ポケモン | ナノ
▼ 危機管理

私は今、大ピンチだ。
ワイルドエリアに出たのはいいが、ジャラランガと遭遇してしまい、手持ちのポケモンは全て倒れてしまった。
とにかく逃げて逃げて逃げたのはいいが壁際にまで追い込まれてしまった。ジャラランガは逃がさないぞ、という睨みをきかせた視線で私を見つめた。

「どどど、どうしよう……」

今現在、手持ちのポケモンはさっき目の前にいるジャラランガによって倒されてしまった。大ピンチだ。
しかもこんなときに限ってピッピ人形は持っていない。ああ、終わったんだ。
ジャラランガは今にも襲い掛かりそうだ。そして、ジャラランガが飛び掛かってきた。

「きゃっ……!」
「ジュラルドン、てっていこうせん!」

と、突然ジャラランガが飛んだ。なにかビームのようなものが飛んできた、と思ったらジャラランガはビームが飛んできた方向へ戦闘態勢をとる。
私は唖然としながらビームを放った方角を見る。そこにはナックルシティジムリーダーのキバナと彼の相棒であるジュラルドンがいた。

「き、キバナさん……」
「よお、大丈夫か。ななし」
「あ、ありがとうございます」

私はキバナさんとジュラルドンに礼をする。と、その時、戦闘態勢をとっていたジャラランガが襲い掛かってきた。
キバナさんは冷静な眼差しでジャラランガを見つめ、ジュラルドンに指示を出していく。あまりにも冷静で的確な指示で、ついにジャラランガは去っていった。

「す、すごい……」
「ななし、オレさまに惚れたか?なんつって」
「い、いえ、そんなんじゃありません。でも助けてくれてありがとうございます」

再度礼をする。キバナさんは「無事でよかったぜ」と返してから、ジュラルドンに礼を言ってボールに戻す。
すると、私の方を見つめる。ちょっと怒りが見えるような眼差しで私は思わず体をこわばらせる。

「ななし、どうしてオレさまが怒ってるのかわかるか?」
「は、はいぃ……。強いポケモンのいるエリアにむやみに入らないですよね……」
「そうだ。なにがあってからじゃ遅い。ななしはポケモントレーナーとはいえバトルに特化してないだろ」
「それはおっしゃる通りです」
「とにかくだ。早くポケモンを回復させてやらないとな」

キバナさんはそう言ってフライゴンを繰り出し、私とキバナさんはフライゴンの背に乗る。「ナックルシティまで頼む」と指示を出した。
フライゴンが砂を起こして飛び上がる。私とキバナさんは一瞬だけ目をつむる。

「キバナさん」
「なんだ」
「次からは気を付けますね」
「……今度破ったらお前を外に出さねえ」
「もう、わかってるって」

私とキバナさんを乗せたフライゴンは一鳴きしてから、ナックルシティへと向かうのだった。


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