ポケモン | ナノ
▼ シャッターを切って

「よく自撮りばっか撮ってるね」
「ん? ああ、ファンサービスも大事だろ?」
「そりゃそうだけどさ……」

呆れる私を他所に、キバナはまた自撮りをしていた。
それを見た私はキバナに水の入ったペットボトルを差し出した。
キバナは「サンキュな」と言って水を受け取り、水を飲み始める。
私は一旦、更衣室から出ようとしたが、キバナが「ちょっと待ってろ」と私を呼び止めた。

「何?」
「ロトム、頼んだぜ」
「!? うわあ!」

いきなりロトムが私の前に現れたと思ったらシャッターを切られた。
シャッターを切られたことに驚いた私を見て、キバナはニヤリと笑う。

「いきなり何!?」
「ハハ、ななしちゃんにはちぃーっとばかし驚いたみたいだな」
「もう! せめて一言ぐらい言ってよ!」
「悪かったって。でも、この写真、よく撮れてるだろ?」

キバナが先ほど撮った私の写真を見せると、驚いた私の顔がはっきりと映っている。
こんな変な写真を撮ってキバナは何がしたいのか。
私は若干の怒りながら私の写真を眺めるキバナを睨んだ。

「なんでこんなタイミングで撮ったのよ」
「たまにはいいじゃねえかよ」
「私はよくない!」
「悪かったって。じゃあななし、オレさまにちょっとばかし寄ってくれ」
「?」

キバナのいう通りに私はキバナに体を寄せた。
キバナはロトムのシャッターを押し、パシャッとシャッターの音が鳴った。
写真が撮れたことを確認したキバナは、私に写真を見せてきた。

「ほらよ、よく撮れてるだろ?」
「……もう。でも悪くないよ」
「そいつぁよかった」

そう言ってキバナはロトムを離さず、スタジアムへ足を向ける。
私はそんなキバナを見て、「頑張ってね」と応援する。キバナが「おう」と返し、キバナはスタジアムへと消えるのだった。


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