ポケモン | ナノ
▼ 観覧車に乗ろう

ライモンシティ。イッシュ一のエンターテインメントを誇る街だ。
この町についてポケモンを回復しに行った後、やることといえば……。

「よっし、まずは観光だ!」
「エモエモ!」

私と相棒のエモンガはこの広いライモンを観光すべく、まずは観覧車が見える遊園地のエリアへ向かった。



『こちら、2人乗り専用になります』
「えっ」
「エモ」

早速観覧車へ乗ろうとしたら、目の前に見える看板を見て固まった。どうやら2人乗り専用のようだ。
1人旅の私にはあいにくライバルもいなければ友人もいない。1人で旅立ったから友人やら知り合いが旅に出た、とか知らない。
せっかくライモンに来て観覧車に乗れないのは残念だ。仕方なく、他のアトラクションへ向かおうとする。

「あっ、ちょっと君!」

突然誰かに声をかけられた。私は周りを見回すが、人は誰もいない。どうやら自分を指しているようだ。
声をかけられたほうを見ると、そこには自分より歳が下であろう少年がいた。どうやらこの人もポケモントレーナーのようだ。バックからモンスターボールが見える。

「私?」
「うん!よかったら僕と一緒に観覧車乗ってくれますか?」
「あ、はい。私でよければ!」
「エモ!」

私は即答した。この少年の素性は知らないが、ライモンの観覧車に乗りたかったからだ。
この少年は何者かは知らないけど悪い人ではないと思う。そう思った私は、彼と一緒に観覧車に乗った。



「ありがとうございます。こんな無茶なお願いを聞いてもらえるなんて」
「いえいえ。私も観覧車に乗りたかったんです」
「エモー」

観覧車に乗って、さっそく搭乗した少年と一緒に話しはじめた。彼はトウヤというらしく、なんでもジム戦が終わってホドモエシティへ向かう前に観覧車に乗りたかったらしい。

「それにしても、やっぱ広いですね、ライモンシティ」
「そうですね。まだ見て回りたいところだらけです」
「エモエモ」
「ライモンは広いですからね。一日じゃ回り切れないですよ」

トウヤ君はエモンガをなでながらそう言った。エモンガは嬉しそうにしている。
観覧車はようやく一番高いところへ差し掛かる。ライモンシティどころか跳ね橋まで見えそうなくらいの広い景色だった。

「わあ……」
「やっぱすごいですね、この景色」
「はい、見れてよかったです!」

観覧車が下りるまで、私とトウヤ君はいろいろなことを話した。わずかな時間だったけどいろいろなことを話した気がする。
観覧車が一番下へ着き、私とトウヤ君は下りた。

「今日はありがとうございました」
「いえいえ、こちらこそです」
「ななしさん、また一緒に観覧車に乗りたいですね」
「また会えたら、ですね」
「それでは、いい旅を」
「こちらこそ!」
「エモエモ」

私とトウヤ君は別れた。また、いつか会えるかもしれない。そう思いつつ。


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