Fate | ナノ
▼ その牙を振るう

※暴力描写あり

ドカッ、ボカッと鈍い音が響いた。私は今、岡田さんに殴られている。
なぜこうなったかというと、私が他の男と話しているのが気に入らなかったらしい。「友達だ」と返しても岡田さんは「やかましい」と言い放って私を殴り始めたのだ。

「ごめ……んなさい」
「フン、はやしさーせんって誓えるか?」
「そ、それは無理ですよ、同僚ですし」
「……どうやらまだやられたりんようじゃがな」

そう言って岡田さんは私をまた、殴った。顔は鼻血と唇で切った血がドロドロで今酷い顔になっている。
チラッと足元を見るとタイツに穴が開いていた。そこから見える肌から痣や血が出ている。

「……」
「なんや、もう黙っちょったき」
「……」
「ハッ、もうええ。ほら、行くぜよ」

岡田さんはそう言って、私をおぶった。その背中は少し暖かった。
優しいのか怖いのかわからないが、ついさっきまで私を殴っていた岡田さんはもういなかった。
岡田さんはそのまま私を連れて、どこかへ消えていくのだった。


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