▼ 観戦、そのひと時
私が廊下を歩いていると突如歓声が聞こえてきた。
覗いてみると部屋の1室にリングがあり、そこには2名のサーヴァントが戦っている。
ドアを開けながら見ていると、それに気が付いたアキレウスさんが近づいてきた。
「よお、お前さんも観戦していくか?」
そういうやアキレウスさんは私の手を引いて部屋へ案内した。
呆気にとられる私にアキレウスさんが説明した。
「ここは疑似バトルアリーナってヤツさ。なんでも戦いたいヤツが毎回リング上で戦ってるワケさ」
「そうなんですね。アキレウスさんも参加してるんですか?」
「俺もたまに参加してるぜ」
そういいながらアキレウスさんはリング上へ視線を戻した。
私はアキレウスさんを見たが、彼は上半身裸のパンツスタイルでいかにも戦いに参戦しそうな恰好だった。
その姿を見て、私はアキレウスさんに尋ねた。
「あのー、アキレウスさん?」
「なんだ、ちなみにお前さんはどっちを応援するつもりなんだ?」
「そうじゃなくて、すごい筋肉ですね」
そういった後、アキレウスさんは軽く笑った。
ここで試合終了のゴングが鳴った。
「試合終わったみたいですね」
「そうだな。さて、俺も出るかな」
そう言ってアキレウスさんはリングへ向かって歩き出した。
「あ、アキレウスさん、頑張ってくださいね!」
「おうよ! ここはひとつ勝ってくるぜ」
アキレウスさんはそういって不敵な笑みを浮かべ、私の頭をポンポンとたたき始めた。
私は照れつつもアキレウスさんを応援するのだった。
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