Fate | ナノ
▼ 俺を信じろ

私は廊下を歩いていると、ある人物とすれ違った。特徴的な緑のツンツン頭は、アキレウスさんだ。

「こんにちわ、アキレウスさん」
「おお、ななしか。これから仕事か?」
「はい、サーヴァントのデータをこれからまとめようかと。この前は一日かかりましたからね……」

私は遠い目をする。アキレウスさんは「……そうか、頑張れよ」と短く返した。
私はこのまま部屋に行こうとすると、アキレウスさんが肩を叩いた。

「どうしましたか?」
「いや、あんま無理すんなよ。倒れたら元も子もねえからな」
「わ、わかりました。あんまり無理しないようにします」
「……なあ、あんた、少し時間あるか」
「……?はい?少しならありますが」
「そうか!ならちょうどいい!」
「わあ!

アキレウスさんが私の手をグッと引っ張る。引っ張った衝撃でファイルが床に落ちてしまった。
ファイルを拾おうとするが、それよりもアキレウスさんが駆けだしていた。

「ならちょっとばかし風に辺りにでも行こうか!」
「え、それって、シュミレーターを起動しないといけないんですよね……」
「そうだ」
「あと私マスターでもないんですが……」
「大丈夫だ、向かってくる敵は俺が蹴散らしてやる!」

アキレウスさんが自信満々に言い放つ。確かにアキレウスさんは強い。だが敵に不意をつかれることとかを考えるとやはり不安だ。

「あんまウダウダ考えんのもなしだ!俺を信じろ」
「なんの根拠にもないですよね!それ!」
「ははははは!じゃあ行くぞ、ななし!」

アキレウスさんはそう言って、シュミレーターのある部屋に入り、早速シュミレーターを起動してしまった。
ええいもうなるようになれだ!と思うのであった。



戻る



book

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -