▼ ドッペルゲンガーとの出会い
※出会いの続編
燕青さんと出会ってから3日が過ぎた。
私は食堂に向かう途中、燕青さんを発見した。
話しかけようかと思ったが思わず隠れてしまった。
(はっ!私はなにをしているのだろう)
そう思いつつも影から燕青さんを眺めるだけだった。
燕青さんを眺めていたら突如燕青さんの姿が消えて、私は物陰から飛び出した。
「あ、あれ?」
辺りを見回してみるが燕青さんの姿はない。
「どこいったんだろう……?」
「そこのお姉さん」
突然ふいに声をかけられたので声がした方を向くと、ある人物が立っていた。
「えっ!? 私!?」
それは紛れもなく自分自身だった。
私は目の前に現れた自分に驚いて尻餅をついてしまった。
「痛ッ」
「驚かせすぎたか……俺だよ、ななしお姉さん」
そう言って、もう一人の私は正体を明かした。
それは先ほど消えたはずの燕青さんだった。
「えっ、ええええええ燕青さん!?」
「悪い悪い、大丈夫か?」
そういって燕青さんは手を差し出してきた。
その差し出された手をつかみ、私は立ち上がった。
「ありがとうございます……。それにしても驚きましたよ、いきなり私が立ってるなんて。まさか死ぬかと一瞬思ったじゃないですか」
「まあドッペルゲンガーははち合わせると死ぬっていう伝承があるしな」
「笑いごとじゃないですよ……」
私は肩がどっと疲れたように呆れかえる。
もういいや、食堂に向かおうと思った矢先、燕青さんも歩き出した。
「ななしもメシ食いに行くんだろ? じゃあ俺も一緒に行くぜ」
「またドッペルゲンガーで驚かすのはやめてくださいね」
「わかってるって」
そう談笑しながら2人は食堂へ向けて歩き出すのだった。
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