▼ おすそわけ
「さて、今日はなににしようか」
私は食堂に入るなり、何を頼もうか考えていた。今はお昼時なのかスタッフもサーヴァントもまばらにいた。
その時、隣に誰か座った。確か、新宿のアサシンさんだったか。
「隣、いいかい?」
「別にいいですよ」
私は隣の席を差し、新宿のアサシンさんもとい燕青さんを案内する。燕青さんは中国語でお礼を言った後、ラーメンを食べ始めた。
そうだ、ラーメンにしよう。私は思い切って立ち上がろうとする。
「ちょっと待ちな」
「え?」
「口開けな」
言われた通りに口を開ける。すると、何か状のものが口に入れられた。これはラーメンだ。
ただちょっと熱かったらしく、舌がピリリと痛む。激辛ではないのでそこまでヒリヒリするわけでもない。
「な、何をするんですかっ」
「いやー、せっかくだしお姉さんにもおすそ分けってな!」
「突然すぎますよ……」
「悪ィ悪ィ。でも美味かっただろ?」
「ええ。でも作ったのはエミヤさんですけどね」
「まあそらそうだな」
燕青さんは呵呵呵と笑いだす。私はそんな彼に呆れつつも、食堂で料理をふるまっているエミヤさんとブーディカさんの元へ行くのだった。
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