Fate | ナノ
▼ 〇〇しないと出られない部屋

私は突然目が覚めた。目が覚めた先に見えたものは窓もドアもない密室の部屋だった。
隣にはマーリンさんがいる。起きていて、「ふむ、どうしたものか」と呟いている。

「これ、どうしよう」
「まあまあ、慌てない慌てない」
「のんびりしてる場合じゃないですよ!」
「そんなに怒らないで、ななし。ん、これはなんだろう」

マーリンさんは目の前に落ちていたメモを拾って読み上げた。
私も身を乗り出して覗いてみた。「いちゃいちゃしないと出られない部屋」……!?

「な、なななな、なな」
「どうやらここから脱出するのは私と君がいちゃいちゃしないと出られないらしい」
「口に出して言わなくてもいいですって!」

いちゃいちゃしないと出られない……。それってつまり、マーリンさんと甘々にならないと駄目らしい。
いうほど私とマーリンさんはそこまで仲がいいわけでもない。1回話したくらいだ。

「じゃあ、ななし。私の胸に飛び込んでおいで」
「そんないきなり言われても……」
「そっちがこないなら、こうするまでだ」

マーリンさんが私をぎゅっと抱きしめた。あまりにも唐突すぎたので私は思わず固まってしまう。
今、マーリンさんに抱きしめてもらっている。ドキドキして、心拍数があがっていくのを感じる。

「あ、あの」
「ん、どうかしたのかい?」
「なんか、どうしたらいいのかわからないけど、マーリンさんってずるいと思います」
「ずるい?私が?」
「うん」

私が頷くと、マーリンさんは少し考えた後、私を更に強く抱きしめた。
潰れそうなくらいぎゅぎゅっとされて私は思わず「あ、あ」と言葉にならない声をあげてしまう。
その時、ガシャンと大きな音がした。扉が現れた音だろうか。

「おや、どうやら扉が現れたようだ」
「う、うん!そうだね!」
「あ、そうそう、ななし」
「なんでしょう」
「今夜、お邪魔するよ」
「え」

マーリンさんはそう言って、扉を開けて出て行ってしまった。
私は思わず硬直しそうになったが、扉を開けてこの部屋を抜けるのだった。



マーリンとあなたはいちゃいちゃしないとでられない部屋に閉じ込められてしまった!!!!!


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