Fate | ナノ
▼ 〇〇しないと出られない部屋

おかしい、どうしてこうなった。
今現在、私とクー・フーリン・オルタさん(以下クーオルタさん)は部屋に閉じ込められてしまっている。
いきなり何か技をかけられたわけでもない、気が付いたら私とクーオルタさんは部屋にいたのだ。
しかもその部屋、ドアも窓もない。完全な密室だ。

「ど、どうしましょう……」
「知るか。オレに聞くんじゃねえ」

クーオルタさんはそう言って、そっぽを向いてしまった。
私は仕方なく、部屋を見回してみた。と、あるものを発見した。メモだ。

「なんだろ、これ」

私はメモを開いた。メモには「部屋にいる50体のゾンビを倒さないと出られない部屋」と書かれていた。
なんともバカバカしいと思いつつ、メモをクーオルタさんに渡した。クーオルタさんも「くだらねえ」と言い放った。
その時、いきなり部屋にゾンビが現れた。ざっと見た限り50体ぐらいはいるだろう。

「え、え、なんで、いきなり」
「チッ、めんどくせえ」
「ちょ、クーオルタさん!?」

クーオルタさんはゾンビが現れるなり走り出し、槍を振るい、ゾンビを薙ぎ払っていた。
どうやらメモに書かれていたのは本当だったらしい。

「おい、お前は何もするなよ。邪魔だ」
「わ、わかりました」
「チッ」

クーオルタさんは突然、私に向けて槍を放った。私は思わず目をつぶる。
恐る恐る目を開けると、槍に刺さったゾンビが倒れていた。どうやらゾンビに向けて槍を放ったようだ。
それからクーオルタさんはゾンビを次々となぎ倒していき、とうとう立っているゾンビがいなくなった。

「おい、大丈夫か」
「大丈夫です」
「……どうやら扉が開いたようだぜ」

クーオルタさんの言う通り、扉が現れたようだ。私はズンズンと先に進んでいくクーオルタさんを追い、部屋を出ようとする。

「クーオルタさん」
「なんだ」
「ありがとうございます」
「別にてめぇのためじゃねえ」

クーオルタさんは扉を開け、さっさと出て行ってしまった。
私もクーオルタさんの後を追い、部屋を出るのだった。




クー・フーリン・オルタとあなたは
『部屋にいる50体のゾンビを倒さないと出られない部屋』に閉じ込められてしまいました。
頑張って脱出してください。


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