Fate | ナノ
▼ 今年もあと

「もう今年も終わりなんだねえ」

私は食堂で蕎麦を食べながら呟いた。
広い食堂も今は私1人とキッチンにエミヤさんとブーディカさんがいるくらいだ。
私は蕎麦を食べきり、返しに行こうと立ち上がった。

「今年もあっという間だったなあ」
「そうだな。俺もここに来てからあっという間経ったってワケだ!」
「うわあ!」
「おっと」

私は突然目の前に現れた男に驚いて持っていたトレーを落としそうになる。
男はトレーをキャッチし、それを私に返す。
私は目の前の男―――――燕青さんに礼をし、返しに行こうと歩き始める。

「なんだ、おねーさん1人で食べてたのか?」
「別にいいじゃないですか」
「ま、そりゃそうだな」
「もしかして今から食べるところですか?」
「そうだけど、おねーさんにはあげない」
「今さっき食べたばっかでくれとは一言も言ってないわ!」

燕青さんと話ながらトレーを2人の元へ返す。
それを受け取ったエミヤさんはすばやく洗い物を始める。早いなーと感心していると、ブーディカさんが燕青さんのメニューを作り終えていた。
こっちも早いなーと感心していると、隣の燕青さんに「おーい」と頭を小突かれた。

「ごめんごめん」
「大丈夫か?」
「大丈夫ですよ! さて、仕事に戻りますか」
「頑張れよー」
「何時でもまた食べに来てくれ。私も腕を振るう」
「無理しないでね、ななし」
「ありがとう。3人も頑張ってね」

燕青さんとキッチンの2人に見送られ、私は食堂を出た。
今年もあとわずか、これまでに仕事を終わらせよう。
私はそう思って仕事場へ向かうのだった。

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