Fate | ナノ
▼ 酔いすぎ注意

今日の仕事を一通り終え、私はカルデアでの自室へ戻ろうとしていた。
これで仕事がひと段落したかーって思うと気が楽だ。
そう思っていると、床に何かがあったことに気が付かず、転んでしまう。

「わっ」
「……なんじゃあ」

よく見るとそれは何かではなく、人だった。
床で転がっていた人はアサシンのサーヴァント、岡田以蔵だった。
岡田さんは顔を真っ赤にして、意識も朦朧としている。つまる話、飲んでいたのだ。

「岡田さん、岡田さん」
「……ん? 何じゃあおまん、わしに用か?」

岡田さんはそう言って酒臭い息を吐きかけてくる。
私はあまりの酒臭さに鼻をつまみそうになるが、我慢だ。

「どうしたんですか?」
「どうしたも何も酒盛りしちょっただけやき……」
「あの、ところで部屋まで帰れます?」
「あ? おまんわしを馬鹿にしちゅうやが」

酔った顔で睨まれた。全然怖くはないのだが。
私はそんな岡田さんを見てられず、岡田さんの肩に腕を回した。
岡田さんはぎょっとした顔をしていたがお構いなしだ。

「お、おまん、何しゆう!?」
「このまま岡田さんを放っておく訳にもいきません。私の部屋まで連れて行きます」
「……わしは一人でも大丈夫じゃ。おまんの手は借りん!」
「とかいってフラフラじゃないですか!」

岡田さんは私の手を放して歩こうとするがフラフラだ。
そんな状態の岡田さんをやはり放っておくわけにもいかない。
私は岡田さんの腕を引っ張り、歩こうとする。

「だからおまんの手は借りんと言うとるじゃき!」
「かと言ってまた床で寝てるのもどうかと思います!」
「……チッ、分かったぜよ」

岡田さんは舌打ちをして、私と歩き始めた。
岡田さんはフラフラと千鳥足になりながら黙って私に引っ張られている。
部屋に戻ったらベッドと水でも容易しなきゃと思いつつ、私と岡田さんは部屋に戻るのだった。


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