刀剣乱舞 | ナノ
▼ 〇〇しないと出られない部屋

「うーん、ここはどこだろう」

私は目覚めるとある部屋に閉じ込められていた。隣には近侍の肥前忠広もいる。
周りを見回しても何もない。ドアも窓もなかった。
忠広の方も周りを見回したが何もないことに気が付き、私の方を向く。

「おい、どうなってんだこれ」
「そんなこと言われても……」
「ったく、ふざけてんのか?」

忠広はそう言って刀を抜こうとする。私は慌てて忠広を止めに入った。
忠広は「止めんじゃねえ」と言って刀を抜こうとするのをやめない。私が止めているとあるものが目に入った。どうやらメモのようだ。

「あっ、ちょっと、待って」
「なんだよ、まだなんかあんのか?ええ?」
「こんなものを発見したんだけど……」

私はそう言ってメモを忠広に見せた。私と忠広はメモを覗き込む。
メモには「キスしないと出られません。1分以内でお願いします」と書かれていた。なんだこれは、と思いつつ忠広の顔を見る。忠広も「ふざけてんのか」と呟いた。
これはなんかの悪戯だろうか、と思いつつこの部屋を出る方法を考える。ドアも窓もない以上、このお題をやるしかないのだろうか、と思っていた。

「ねえ、忠広、このおd―――――――っ!」

忠広の方を向くと突然忠広の顔が目の前に来た、と思った時、私の唇と彼の唇が触れあった。
そのまま軽く、口づけをかわし、忠広の顔が離れる。一瞬だが、私は彼とキスをしていたのだ。
私は急にキスされたことに動揺し、思わず忠広の顔を見つめてしまう。

「えっ、今、キスしたの……」
「……るせえ」

忠広が悪態をついたのと同時に部屋にドアが現れた。お題をこなしたと見なされたらしい。
私は茫然と立ち尽くしていると忠広が「おまえも出るんだろ」と私の手を引っ張ってくれた。

「忠広」
「なんだ」
「……悪くなかった」
「そうか」

私と忠広は部屋を出るのだった。
あの部屋は一体なんだったのだろう。私は考えるのをやめ、職務へと戻るのだった。



肥前忠広とあなたは『キスしないと出られない部屋』に入ってしまいました。
60分以内に実行してください。


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