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▼ ノッってるかい?

「以上!採点は〜……95点!」
「やったウサー!」
「ジュン、すごいすごい!」

とある日、私はジュンと一緒にカラオケに行っていた。とはいっても、ほぼジュンのワンマンショーだが。
私は歌ってるジュンをひたすら眺めていた。カラオケに行って歌わないのもどうかと思うが、ジュンが楽しそうなので歌わなくてもいいや、と思っている自分がいる。

「ねー、ななし。なんで歌わないウサか?カラオケに来たならななしも歌うべきウサ」
「いや、私は見てるだけでいいよ」
「えー!そんなの嫌だピョン!一緒に歌おうよー!」

駄々をこねるジュンに私は観念したようにマイクを持った。ちなみに何を歌うか決めてない。こうなればヤケだ。

「〜♪」
(あ、これならかろうじて知ってるや)
「よっ、待ってましたピョーン!」

私はカラオケ画面とにらめっこしながら歌い始める。幸い音程を外すことはなかったが、なんとか様にはなっていたような気がする。
歌い終わると、ジュンが近づいてきた。

「ななし、すごいじゃん!上手かったピョン」
「ジュンほどじゃないよ。カラオケ画面にくぎ付けだったもん」

私はえへへ、と笑いながら頭をかく。ジュンは「いやいや〜、中々のモンですピョン」とベタ褒めしてくる。
その時、カラオケ画面が採点画面に入った。

「ただいまの点数は〜……90点です」
「えっ、こんな点数取れたの初めてかも」
「ホラホラ、カラオケ画面もななしもホメてるピョン。自惚れてもいいんじゃないウサ?」

ジュンが肘でこのこのって押してくる。べた褒めの連続でちょっと恥ずかしくなる。褒められるのはなんだかくすぐったい。でもうれしかった。

「ななし、ちょっとは気は楽になったウサか?」
「うん、なんだか気分がよくなったかも」
「それはよかったウサ。さー、どんどん盛り上がっていくピョン!」

ジュンはそう言って、また歌い始めた。
私は楽しそうなジュンを見て、フフッと笑うのだった。


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