その他 | ナノ
▼ さらさらふわり

「サタンさまー、いらっしゃいますかー?」

私はこの城の持ち主であるサタンさまに使える専属メイドだ。サタンさまは何かを思いつけばすぐに行動してしまう少々困った方。
まあ、サタンさまが何か起こせばアルルさんやシェゾさん達に止められるのもいつものことです。

「サタンさま?」

サタンさまを探して部屋を見れば、サタンさまがおりました。しかもよく眠っていらっしゃる。

「ぐぉー、ぐぉーッ……」
「あら、サタンさまってば、よく眠っておられる」

私はサタンさまの寝顔を見つめる。普段は騒がしい人なのに眠っているとなればおとなしい。
美形だ、と自らが言ってるだけあって、顔立ちは整っており、キレイな顔をしている。
ふと、風が吹き、サタンさまの髪が揺れた。長い緑の髪がスッと風に吹かれる。

「髪、綺麗だな……」

私はサタンさまの髪を撫で、つぶやいた。そうだ、サタンさまが寝ている間、髪の毛をいじってみるのはどうだろう。
前々からサタンさまの髪をいじってみたいと思っていた。そして今、サタンさまが寝ている今、髪型を自由にできるのではなかろうか。

「まずはこうして……こう」

私は手際よく、サタンさまの髪を角の上に持っていき、丸めた。お団子ヘアーだ。

「角のせいで見えませんが……中々可愛いですね」

私はフフッと笑った。団子にした髪を解き、長い長髪を1つに編み込んだ。三つ編みだ。

「これもいいですわね」

私は三つ編みにした髪を解こうとする。そこへ、サタンさまの目がパチリと開いた。
サタンさまは後ろにいる私をじっと見た後、己の髪をじっと見た。そして、ムッとした顔を私に向けている。

「……何をしている、ななし」
「サタンさまがよく眠っておられたので少々髪を」
「勝手に私の髪で遊ぶんじゃない」

サタンさまはそう言って、そっぽを向いてしまった。

「サタンさま、お怒りになっておりますの?」
「いや、怒ってないさ。それはそうと、ななし」
「はい?」
「今度は貴様の髪をいじらせろ」

サタンさまは私の腕をグッと引っ張り、懐にダイブさせた。サタンさまの体温が直に伝わっている気がしてドキドキする。

「貴様はどこか堅い雰囲気があったが、そうでもないんだな」
「……私はそんなにお堅いのですか?」
「さあ、観念しろ」

サタンさまはフッ、と笑いながら私の頭を撫でた。

戻る



book

「#エロ」のBL小説を読む
BL小説 BLove
- ナノ -