その他 | ナノ
▼ 探し物を見つけて

「うーん、やっぱ見当たらない」

私は森の中、あるものを探していた。あるものとは、髪につけているヘアピンだ。
この前森の中に行ってからいつの間にか消えていたのだ。学校を終わって、ここしばらくは森の中を探していたのだ。
森の中、ヘアピンを探すのも相当な労力だが、いつもつけているヘアピンはお気に入りなのだ。なんとしてでも探したい。
そう思っていると、ある人物が森の中に見えた。シグだ。

「あれ、シグだ。おーい!」
「……ななし?」

私が声をかけると、シグが首を傾げた。いつものごとく虫でも取っているのではなかろうか。

「シグ、何してたの?」
「実は、こんなの拾った」
「って、あー!それ私のヘアピン!」

シグはそう言って、何かを取り出した。それはこの前森で落とし、消えてしまっていたと思われていたヘアピンだった。
私はシグに「ありがとう」と礼を言って、ヘアピンをつけた。やっぱりこれがないと落ち着かないや。

「それ、探してたの?」
「うん。実はどこかに落としちゃって探してたんだ」
「よかったー。じゃ、行くね」

シグはそう言ってどこかへ行ってしまった。相変わらずマイペースだなあ……と思ってしまう。
私はシグが見えなくなるまでシグを見送り、私もまた帰路につくのだった。

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