▼ そんな答えは
※夢主が病んでる
「おい、ななし!解放しろ!」
「ああもう黙ってシェゾ」
シェゾを捕縛したはいいが、起きて一番にこれだ。そんなに怒鳴らなくてもいいじゃない。
とはいえ解放したら私がやられるのも目に見えている。だからこそウィッチに頼んで睡眠薬を作ってもらい、シェゾのいる洞窟にまき散らしたのだ。
「一体なんのつもりだななし」
「いやなに、大したことじゃないの」
「いやもうこの時点で大した事だろ……」
呆れるシェゾを横目に、私はシェゾの唇を奪った。
「な、なにを……!」
「シェゾ、好きだよ」
「はぁ!?な、なにを言ってるんだお前は!」
唇を離してもシェゾがみついてくる。そんなに私のキスは嫌いだったのか。
好き、っていえばシェゾはまた顔を真っ赤にした。これだから面白い男なのだ。
「ダメかな?」
「いや、なんつーか……唐突だな」
「嫌だった?」
「嫌でもないが、ちょっと頭が追い付いていないだけだ」
シェゾは冷静になって考え始めた。なんだかんだでそういう時の頭の切り替えは早いな、と感心する。
シェゾは少し咳払いしてから、答え始める。
「コホン、オレはお前のことは嫌いじゃない。が、お前とは付き合えない」
「あー、やっぱそうか……。そんな答え、聞いてないんだけど」
「な、なにをす……」
シェゾの頭がガクッと倒れる。睡眠薬をガーゼにかけ、シェゾの顔に当てたのだ。
シェゾはグーグーと眠り始めた。それを見た私は、ニヤリと笑った。
「これからはずっと私と一緒だからね、シェゾ」
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