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▼ 誕生日だからって

「あっ、レムレス先輩!」
「おや、ななし。今帰りかい?」

私は帰る途中、レムレス先輩を発見した。レムレス先輩に手を振ると、レムレス先輩もそれに気が付いて手を振り返してくれた。
私はレムレス先輩に近づいた。こんなところフェーリにでも見つかったら呪われるどころじゃすまないな……。

「先輩こそ、何をしてるんです?」
「いや、まあ、お菓子を配って歩いていたんだよ」
「相変わらずですね」
「はい、ななし」

先輩はそう言って、飴を1つ取り出して、私に渡した。
私は「ありがとうございます」とお礼を返した後、ポケットにしまった。

「そういや先輩、今日は何の日か知ってます?」
「今日?」
「今日は先輩の誕生日ですよ!はい!」
「わっ」

私はそう言って、先輩にプレゼントを押し付けた。先輩は驚いて、目をパチクリさせる。

「ありがとう。今開けてもいいかい?」
「もちろんですよ」
「どれどれ……」

先輩がプレゼントの包みを開ける。包みを開けた先輩から「おおっ」と声がした。

「これって、あそこのケーキ屋のクッキーかい?」
「は、はい。今日昼に買いに行きました!」
「嬉しいなあ。ありがとう、ななし」

先輩が嬉しそうな顔をする。つられて私も嬉しくなり、笑顔で「はい!」と返した。

「よし、じゃあ、ななし。行こうか」
「行くってどこにですか?」
「もちろん、君の家だよ」
「な、なんでまた」
「今日は僕が誕生日なんだし、いいんじゃないかな。ね、ななし」

なんかいってることが無茶苦茶だが、まあ、それも悪くない。
私とレムレス先輩はこのまま私の家に行くこととなるのだった。

翌日、その一部始終を見てたフェーリに問い詰められたのは言うまでもない。

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