▼ なりゆき
私は家に帰る途中、ある人物を発見した。立派なツノに悪魔のような羽……サタンさまだ。
なるべく関わりたくないな……と思って通り過ぎようとしたその時、ボソボソと声が聞こえた。
「はあ、愛しのカーバンクルちゃん……」
「……どうしたんですか?」
私は結局、話しかけてしまった。なんだか落ち込んでいるみたいだし、話くらいは聞いてやろうと思ったからだ。
決して同情してるわけではない。決して!
「あ、ななし。実はだな……どうしたらカーバンクルちゃんとアルルに振り向いてもらえるのか考えてだな」
「(やっぱり)……それで、どんな酷いこと言われたんです?」
「断定するの早くないか!?」
案の定と思いつつも、私はサタンさまの話を聞くことにした。
結局、どうしたらアルルとカーバンクルに振り向いてくれるかってことらしい。まあ何時もの事だけど。
「はあ、じゃあ、もう行きますね」
「待て!ここまで聞いたからにはお前にも協力してもらうぞ!」
「えー」
「協力しないとぷよ地獄行きだぞ?」
「分かりました協力します」
ぷよ地獄とやらに送られるのは勘弁してほしい。ということでサタンさまに協力することになった。
「ほら、ななし!行くぞー!」
「はいはい……」
何時ものテンションに戻ったサタンさまを追うのだった。
たまにはこういう日も悪くない。そう思いつつ。
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