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▼ 〇〇しないと出られない部屋

おかしい、ここはどこだ。気が付いたらドアも窓もない完全密室に閉じ込められている。
隣には今頃修行中であるはずのシーザーもいる。なぜか私とシーザーが閉じ込められているのかわからない。
とりあえずこれは夢だ、うん。頬をつねっても目が覚めない。なんでー!?

「おかしい、夢じゃないだと……」
「何をブツブツ言っている、ななし」
「あ、ごめん。ところでここって完全に密室だよね」
「ああ。だがこんなものを見つけた」

シーザーはそう言ってメモを差し出した。メモには「相手の太ももに10分顔を挟まないと出られません。1分20秒以内にやること」と書かれている。どうやらお題のようらしい。
しかしお題にしては中々ハードすぎやしませんか?シーザーの太ももに10分顔を挟まなければならないし自分の太ももにシーザーの顔を挟まなければならない。なんだこのお題。
とりあえずシーザーの方を向いてみる。シーザーはこっちの視線に気が付いたのかお互い顔を見合わせる。

「……なにこれ」
「どうやらこのお題通りにやらないと解放してくれないらしい」
「えっ、やらなきゃダメなの!?」

私は驚いた後、シーザーの太ももを眺めた。筋肉がほどよくついているとはいえこんなのに挟まれたら苦しそうだ……と思ってしまう。
そんなことを考えていると、シーザーが私の太ももに顔を近づけていた。

「……俺からで構わないか?」
「……別にいいけど」
「じゃあ、失礼するよ、シニョリーナ」

シーザーはそう言って私の太ももに顔をうずめた。吐息が太ももに当たってちょっとこそばゆい。
大の男が女の太ももにうずめているのは中々異様な光景で、私としてはとても恥ずかしい。
私は座り込もうとするがシーザーの手が私の太ももを掴んでいるので座ることもできない。……正直いろんな意味で恥ずかしいです。

「あ、あの、もう、そろそろ」
「いや、まだ3分ぐらいしか経ってないぞ」
「……うう」

私はとにかく耐えた。シーザーがどう思っているのかわからないが時々息が当たって、思わず声を出しそうなところをこらえることを10分になるまで耐えた。
ようやく10分ぐらい経ち、シーザーは私の太ももから顔を離した。私は思わず座り込む。

「じゅっ、10分って長いね……」
「そうだな。よし、次はななしの番だ」
「やっぱやるんだよね……」
「当たり前だ。それにしてもななしはやっぱり柔らかいな」
「……な、ななな!じゃ、じゃあ、私もやるから行くよ!」

私はシーザーの太ももに勢いよく顔をうずめた。見た目からわかる通り筋肉質だが引き締まっており、ちょっと息苦しい。
でもいうほどそこまで苦しくはなかった。むしろいい……というよりはやっぱ男なんだな、としみじみ思うのだった。でもやっぱ恥ずかしいです。
10分経ち、この密室空間にドアが現れた。私は思わずシーザーの太ももから手を離し、尻餅をついてしまう。

「いたた……」
「大丈夫か、ななし」
「あ、うん。それよりもドアが開いたよ」
「ああ。じゃあ、行こうか」

シーザーが手を差し伸べてきた。私はその手を掴み、2人でドアを潜り抜けるのだった。
この部屋は一体なんだったんだろう。とか思いつつもあまり深く考えるのをやめたのだった。

(それにしても、シーザーの太もも、気持ちよかったなあ)

そんな感想は心の底に留めておくことに決めておくのだった。



シーザーとあなたは『相手の太ももに10分顔を挟まないと出られない部屋』に入ってしまいました。
80分以内に実行してください。


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