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※現パロ
「あっ、フリオ!」
「ああ、ななしか」
私は通学路でフリオと会ったので挨拶をした。フリオも挨拶を返してくれる。
そのまま2人一緒に学校へ向かう。いつもながらの日常だ。
「今日体育あるんだー……マジしんどい」
「俺は体育、好きだぞ」
「まあフリオはそうだろうけど」
「ははは」
たわいのない話をしながら歩いていく。そんなささいな時間が嬉しいとも思う。
フリオとは一緒のクラスであり、入学式の時に私が転んだとき、受け止めてくれたのがフリオだったのだ。それから友人になり、一緒に遊んだりもしているのだ。
「ところでフリオ」
「なんだ」
「……好きだよ」
「ああ。……!!」
突然フリオの顔が赤くなる。前にフリオに色恋沙汰の話を振ってみたけど顔が赤くなって逃亡したことがあったのだ。
やっぱり色恋沙汰は苦手なのね……と思いつつ、私はこのまま続ける。
「私、入学式で助けてもらってからフリオのこと、ずっと好き」
「な、ななな、何をいいだすんだ、ななし!」
「だから、逃げないで」
私はそう言ってフリオの腕を掴んだ。フリオはまだ顔を赤面したまま固まっている。
正直な話、逃げないで受け止めてほしい。フリオはどう思ってるのだろうか。
「……お、俺も、ななしのことが好きだ」
「フリオ……!ううん、嬉しい!」
「わっ、急に抱き着くな、ななし!」
私は嬉しくなってフリオに抱き着いた。私を抱きしめた衝撃でフリオと私は道路に倒れそうになる。
慌ててフリオが受け止めてくれたけどあまりの嬉しさにハグしたままになる。
「お、おい、ななし!みんなが見てるから離れないか!」
「わ、わかった、わかった!」
「お二人さん熱々ッスね〜」
「……先に行くぞ、ティーダ」
途中、ティーダとクラウドが茶化してきた。私とフリオは慌てて離れる。
私はフリオの手を取り、歩き出した。フリオもそれにつられて歩き出すのだった。
「これからもよろしくね、フリオ」
「……ああ、こちらこそだ」
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