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▼ ちょっとフラっときただけ

「あれ、シェゾだ」
「……なんだ、ななしか」
「最近めっきり現れなくなったからどうしたのかなって」

私はシェゾの肩をポンと叩く。シェゾはじとーっとこっちを見てきたがどうでもいい。
シェゾは少し考えるようにこの場で立ち止まり、「む」と唸った後こちらを見る。

「別にお前には関係ないだろ」
「いや、最近シェゾが来なくなって平和なのはいいけど、逆にものすごく寂しいなって」

私がちょっとおどけたように話す。とはいえここ最近シェゾが現れなくなってちょっと物足りない。
シェゾとくれば私やアルルの前に現れて「お前が……ほしい!」とヘンタイめいたセリフを残していきなり勝負してくる困ったヤツだ。
で、そのシェゾがあまり元気がないようでちょっと心配だっただけだ。本当にちょっとだけだけど。

「大丈夫?なんか甘い物でも食べる?」
「オレは自分で作れるから別にいい」
「じゃあ気晴らしにぷよ勝負する?」
「そんな気分じゃない」

私はいろいろ提案してみるけどシェゾは乗る気じゃなかった。おかしいな、ぷよ勝負くらいは乗ってくれると思ったのだが。
私はシェゾの肩をグッと掴み、こっちに振り向かせる。なんかシェゾの顔が赤い。熱でもあるのだろうか。

「っ……!やめろ!」
「シェゾ、顔赤いけど大丈夫!?」
「大丈夫だ。お前に心配かけられる必要はない!」
「そういや少しくらいフラフラしてなかった!?」
「う、うるさい!」

シェゾは狼狽すると同時にこの場で倒れてしまった。どうやら風邪を引いていたようだ。
私はそんなシェゾを放置していくワケにもいかず、私の家へ運ぶことにした。
私の力じゃシェゾを運ぶのはちょっと荷が重いので肩を持ち、運ぶのだった。引きづってしまうけど申し訳ないと思いつつ。



「ハッ!ここはどこだ!」

オレはある部屋の1室で目覚めた。
あの時、オレは何を……そうだ、ななしと出会って、少し話した後体調がおかしくなって、このまま倒れたんだった。
ここはおそらくななしの部屋だろう。オレの家代わりにしてる洞窟とは違い、家具もあるしななしもいる……ななしだと!?
気が付けば、ななしがベッドの横で寝息を立てている。全く、男を部屋にあげて寝息を立てているとか危機管理のないヤツだ。
オレは立ち上がろうとする。と、ななしがすーすー寝息を立てて布団を握りしめている。
これは起こしていいのだろうか。下手に刺激してななしが起きてしまうのは避けたい。
オレはそんなななしを見つめ、もう一度布団に潜り込むのだった。

「……ななしのヤツ、看病してくれたのは嬉しいが、このままじゃオレが起きれないじゃないか……」

オレはそのまま眠りについた。


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