トレーニング室での休憩
2月14日、今日はバレンタインデーだ。女性が男性にチョコを送る日でもある。
私は館を掃除がてら観察していたが、すでに館は甘い雰囲気に飲まれている気がする。
「あら、ななしさん」
「あ、ピーチ姫。チョコレートは渡したんですか?」
「ええ。ななしさんもチョコ、ありがとうね」
ピーチ姫はそう言って去っていった。すでに私は館の住民にチョコを配り終えた後だ。
「さて、その間にトレーニングルームでも掃除しよう」
私はそう呟くと、トレーニングルームの方へ歩きだした。
「すいません、誰かいませんか?」
私はトレーニングルームのドアを開けた。するとそこにはケンさんがいた。
どうやらトレーニング中だったらしい。私の姿を確認するや今や、手を振ってきた。
「おお、お嬢ちゃんか。遠慮すんな」
「あっ、ケンさん。じゃあ、失礼します」
私はトレーニングルームの掃除を始めた。その間もケンさんは私の邪魔にならないようにトレーニングしている。
「そうそう、今朝、お嬢ちゃんチョコくれただろ?」
「はい」
「おいしかったぜ。リュウの奴も喜んでたぜ」
ケンさんはそう言ってニッと笑った。笑顔がまぶしいです。
もうそろそろトレーニングルームの掃除も終わりそうだ。掃除機のリールを引いてトレーニングルームを後にしようとする。
「じゃ、私はこれで失礼しますね」
「おいおい、もう行っちゃうのか」
「私、邪魔になりそうですし」
「そんなの気にしなくても全然かまいやしないさ」
ケンさんが床をポンポンと叩く。少しなら、と私はケンさんの隣に座った。
少しの休憩なら、いいかな。と思いつつも。
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