予感


「なんだか寒くなりましたね」

私は窓から庭の景色を眺め、風がビュービュー吹く様子を眺めていた。
確かにここ最近寒くなってる気がする。館も暖房を入れている。

「……そうだな。ここ最近は妙に寒い」
「あれ、クラウドさん」

独り言のように呟いた台詞だったが、クラウドさんが聞いていたようだ。というか何時の間にいたのだろうか。
クラウドさんはソファに座りながらTVをぼんやりと眺めている。

「クラウドさん、寒くないんですか?」
「……俺は別の意味で寒気を感じるがな」
「え、もしかして風邪ですか!?」
「ち、違う!そんな心配そうにするな」

クラウドさんは落ち着けと言わんばかりに私を落ち着かせた。気が緩んだのか、私はクラウドさんの隣に座った。

「すいません、なんか、取り乱してしまって」
「気にするな。それよりそろそろ新しいファイターが来る頃だろう」
「あー、そういやそうですね。クラウドさんは誰が来るか目星とかついてるんですか?」
「目星というかなんというかだな……嫌な予感がするんだ」

クラウドさんはそう言って、肩をガックリを落とし、ハァと息を吐いた。なんだかとても沈んでいる様子だ。
誰が来るかは知らないがクラウドさんが相当落ち込んでるのは相当かもしれない。そもそもマスターから新しいファイターが誰が来るのかもわかっていないのだ。

「え、えっと、気にしない方がいいですよ」
「……それもそうだな。礼を言う」

クラウドさんは礼を言った後、リビングを後にした。その様子を見た私は、後でなにか持って行ってあげようと思うのだった。


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