カービィを観察してみる


(おや、カービィだ)

私は食堂へ飛んでいくカービィを見つけ、後を追ってみた。カービィは食堂へ向かうかと思いきや、庭へ出て行ってしまった。
私は慌てて後を追うと、そこにはチコがいた。ロゼッタさんはどうしたんだろうか、と思っていると、背後からポン、と肩を叩かれた気がした。

「ひやっ!」
「……ごめん、驚かせちゃったかな」
「なんだ、ピット君ですか……」

私の肩を叩いたのはピット君だった。ピット君はあははと笑った。

「いやー、ななしさんがなにやら変な行動していたので、つい」
「あ、ちょっと、ピット君、黙っていてください」
「え、あ、はい」

ピット君はそう言って黙った。そして私と共にカービィとチコを観察し始めた。
カービィとチコは何事もなく談笑しているように見える。ここからだと声が聞こえないので実際談笑しているかどうかは謎である。

「……ところでななしさん、なんでカービィとチコを眺めているんですか」
「食堂のほうへ向かうカービィを追ってたらつい」
「ついじゃないですよ。そういやロゼッタさんの姿が見えませんね」
「私もそれが気になっていたところです」

こそこそとピット君と話す。第三者から見たら不審人物だと思われても仕方ないかもしれない。

「……あら、ななしさんにピット君」
「あ、噂をすれば」
「あ、どうも」
「うふふ、どうも」

噂をすればなんとやらでロゼッタさんが現れた。気配は全くわからなかったが気づかれずに私達に近づいたのはさすが、といったところか。
ロゼッタさんの気配を察したチコがすぐさまロゼッタさんに近づいてくる。カービィもチコを追うようにやってくる。

「ぽよー」
「あ、カービィ、どうも」
「ぽよ」

カービィは私の腕の中に納まった。それを見たロゼッタさんは、「じゃあ、また」と言って去っていった。
残された私とピット君とカービィは顔を見合わせる。

「じゃあ、私はカービィと遊んできます」
「僕もこれにてお暇します」

短い会話を交わした後、それぞれ部屋に戻っていくのだった。


戻る

人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -