ブルーに染まって


私はいつもの如く、控室を掃除しに向かっていた。
と、そこへある人物とすれ違った。スネークさんだ。

「……ハァ」

何やら落ち込んでいるようだ。そういえばスネークさん、さっきの大乱闘でビリだったんだっけ。
しかも1位と10点差で負けている。落ち込むのも無理はないだろう。

「どうしたんですか?」
「あ、ああ。ななしか」
「もしかして、大乱闘の結果を気にしているんですか」
「……そんなことではない」

スネークさんはこちらを見たあと、また盛大に落ち込んだ。
一体スネークさんほどの人が落ち込むって何があったんだろう。と思っていると視界に何か映った。猫……?のようだ。

「猫……?」

私は一瞬首を捻った。猫にしては体が青かった気がする。しかも、猫というよりはウサギと見間違えるくらいの長い耳だった気がする。
おそらくあれはピカチュウだ。イカちゃんと遊んでる時にインクが付着したのだろう。

「ピカチュウ、ま」
「おい見たか、ななし。青いピカチュウだ」
「それは知ってます。なんか興奮してません?」
「いや何、珍しくてな。おかげで落ち込んでいたのも馬鹿らしくなった」

スネークさんはさっきの落ち込みようはどこへやら、復活すると食堂の方へ走っていった。
私はそんなスネークさんを見送りつつ、インクまみれのピカチュウを追うのだった。


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