おやすみ、ピカチュウ
今、この時間はおやつの時間というのであろう。時計の針は3時を指している。
私はマスターから渡されたクッキーを持って、みんなが来るのを待った。
「みんな、遅いな」
私はポットの中の紅茶を注ぎながら呟いた。乱闘のないファイターもいるとはいえ、中々来ない。
その時、食堂のドアが開いた。誰か来たのだろうか、と思って立ち上がると、そこにはピカチュウがいた。
「ピカ〜、ピカ?」
「あれ、ピカチュウ。どうしたの?」
ピカチュウは入ってくるなり、私の腕の中に納まった。ちょっとモフモフとした感触が気持ちよい。
ピカチュウはうとうとと眠そうにしている。そんなピカチュウを抱きながら、椅子に座る。
「もしかして、お疲れ気味だった?」
「チャア〜……」
そのままピカチュウは眠ってしまった。よっぽど大乱闘で思う存分戦ったんだろう。
ピカチュウを起こすといけない、と思い、私はピカチュウを抱いたまま座り続ける。
「ピカチュウ、いい夢見てるといいな」
私が小さく呟く。その時、食堂のドアが開いた。
入ってきたのはトゥーンリンク、リヒターさん、カービィ、シュルクさんだ。
「あれ、ピカチュウ。眠ってるの?」
「起こしてはいけないぞ、トゥーン」
「ぽよ、ぽーよ!」
「カービィ、クッキーは全部食べちゃ駄目ですよ」
「もしかして大乱闘、終わったんですか?」
「ああ。そろそろ他のみんなも来るはずだ」
リヒターさんがそう答えると、食堂のドアがまた開いた。
続々とファイター達が食堂に入ってくる。ピカチュウを起こさないように少し離れていると、ピカチュウが目を覚ました。
「ピカ、ピカ……」
「ごめん、起こしちゃった?」
「ピカピ……」
「わかった、じゃあ、リビングへ行こう」
私はピカチュウを抱いたまま、リビングへ向かう。
ピカチュウは私の服の袖を掴み、「チャア〜ア」と欠伸をする。そんなピカチュウを見つめ、私も微笑んだ。
「ピカチュウ、おやすみなさい」
「ピカ……」
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