仲良くなりたい


「あっ、ゲッコウガさん」
「!」

ゲッコウガさんは私の気配を察すると天井に張り付いた。そんなに驚かなくてもいいのに、と思う。
何時もそうだ。話しかけようとしてもゲッコウガさんはすぐどこかへ消えたり天井に張り付いたりしている。
そんなピリピリしなくてもいいのに……と思いつつ、私はゲッコウガさんと仲良くなろうと心に誓った。



「で、ゲッコウガさんと仲良くなるにはどうしたらいいでしょうか」
(……何故私に聞くのだ)

私は同じポケモン同士ってことでルカリオさんに尋ねた。ルカリオさんは頭を軽く捻った後、私をじーっと見る。
そしてさらに後ろの方をじーっと見る。私も後ろを振り返るとそこにはゲッコウガさんがいた。
ゲッコウガさんはまた天井に張り付こうとするがルカリオさんがしんそくを使ってゲッコウガさんを足止めした。
ルカリオさんはゲッコウガさんの顔を持ち、私の方に向けた。

(……逃げるな、あの娘はお前と仲良くしたいのだぞ)
「……」
「あの、ルカリオさん、ここまでしなくても……」
「!」
「えっ、うわあ!」

突然ゲッコウガさんから煙が沸き上がり、さっきまでゲッコウガさんが立っていた場所には誰もいなかった。
おそらく煙玉を使って逃げたのだろう。ルカリオさんは呆れて何も言えない様子だった。
ゲッコウガさんには逃げられてしまったが、また挑戦してみよう、今度は話せるといいな、と思うのだった。


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