狂気的片恋のセリフ10題 | ナノ
▼ 8.逃がさないよ僕の可愛い人

「えっ、レッドが戻ってくるんですか!」
「ああ。もうじきシロガネやまから降りてくるって聞いた」

私はグリーンからレッドがシロガネやまから降りてくると聞いて、嬉しさがこみ上げた。
なにせレッドがシロガネやまに登って半年が経とうとしていたのだ。
何を話したらいいだろうか、シロガネやまにずっと登っていて大丈夫だったのか。と聞きたいことは山々ある。

「ねえ、グリーン。レッド、何したら喜ぶかな」
「オレに聞くなよ。オレだってレッドをここまで知ってるワケじゃないんだからさ」
「あ、そっか、そうだよね」

私はあははーと軽く笑う。でもレッドが戻ってくると聞いて、黙っていられるハズはない。
グリーンはそんな私を微笑みながら眺めている。でも、なんか、どことなく私を見る目がちょっと怖い。

「なあ、ななし」
「ん、なに?」
「そんなにレッドと会うのは嬉しいか?」
「そりゃそうだよ。なんたって半年ぶりだし」
「ななし!!」

急にグリーンが怒鳴った。あまりにも大声だったせいか私は唖然とする。
グリーンはそんな私をじっと見つめる。なんだかちょっと悲しそうだけど瞳から熱情のようなものを感じる。

「そんなにレッドが大事ってか」
「そんなこと言ってない!」
「……ななし、お前をレッドに会わせる訳にいかない」
「えっ、なんで、そんなこというの」

私は後退しながらグリーンと距離を取ろうとする。しかし、グリーンは私の腕を掴み拘束する。
それでもグリーンから離れようとするもグリーンががっしり腕を掴んでいて逃げようにも逃げられない。

「逃がさないぜ、ななし」
「ちょっ、離して!」
「お前をレッドと会わせる訳にもいかないし、お前をここから逃がすつもりもない」
「!!」
「……まずはオレの家に閉じ込めるか」
「な、なんでそんなこと……」

私は涙目になりながらグリーンに尋ねた。グリーンはからから笑いながらこう答える。

「オレはお前が好きだ。ななし」
「そ、そんなこと言われても……」
「だから、逃がさないぜ」

グリーンはそう言って私をぎゅっと抱きしめた。
私は突然のグリーンの行動にフリーズする。私は固まったままグリーンに抱きしめられるのだった。
グリーンがニヤリと笑って「お前はこのまま離さねー」と呟いたのも知らずに。


8.逃がさないよ僕の可愛い人
お題:狂気的片恋のセリフ10題


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