リクエスト | ナノ
▼ プロポーズはどっちから

「さて、今日もライブに行きますかね」
「待ってください、ネズさん!」
「なんですか、ななし」

私はライブに行こうとするネズさんを引き留めた。
ネズさんは?を浮かべたまま、私のほうをじっと見る。視線からは「早くライブに行きたいのだが」と目で訴えてる気がする。多分。
私は思い切って、ネズさんにこう言った。

「ネズさん、あの、まだなんですか?」
「なんでしょうかななし。おれは早くライブに行きたいんですが……」
「うう……、そういやネズさんからまだ聞けてないような気がします」
「それがなんだというのです。おれはななしと一緒にいられるだけで十分今のままでいいと思いますが……」

ネズさんはそう言うなり、ライブ会場へ行こうとする。
私とネズさんは付き合ってから半年以上は経つ。たまたまスパイクタウンに寄って、ネズさんのライブを見て、ネズさんを好きになり、付き合い始めた。主に付き合ってと切り出したのは私の方だけど。
私は意を決してこう告げた。

「ネズさん、あの、結婚とか……考えてないですか?」
「! 結婚ですか……」
「あっ、いや、できれば、の話です!」
「奇遇ですね。おれも中々言うタイミングがなかったんですよ。ななしが切り出してくれるのを待っていたともいいますね」
「ってことは私から切り出すのを待ってたってことですか……! もう!」

私は怒りにあまりネズさんを何度も軽くたたく。ネズさんは「いたい、いたいですよ、ななし」と笑っている。
私は一通り落ち着かせた後、ネズさんがこう切り出した。

「おれとななしが結婚するならきっとわが妹も喜びます。で、子供は何人欲しいでしょう」
「いきなりですね。ここまでは考えてなかったです」
「まあ、これからのことはじっくり考えておくとしましょう」
「そうですね」

私とネズさんは笑いあい、そのままキスをするのだった。


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