*レクアズ←主
海賊達との最後の戦いに、帝国軍は負けた。
剣を手に入れる事は出来なかったが俺達帝国軍の戦いはそれで終わる筈だった。
なのにアズリア隊長の弟であるイスラと、その仲間の紅き手袋、そして無色の派閥、あいつらに帝国軍は次々と殺されていった。
残ったのはアズリア隊長とギャレオさん、そして俺だけ。
なんでこうなったのか、なんてきっと誰もわからないだろう。俺達はただ、長かった海賊達との決着を着けたかっただけなのだ。
「すまなかった…私の、せいで…」
「謝んないで下さいよ。俺も、みんなも隊長を信じてきたんです。そんな顔してたって誰も喜びませんよ」
「ユウ…」
あの後、海賊達の手助けもあって一時的に無色の派閥達を退ける事が出来た。
酷い怪我を負ったギャレオさんも、彼らのお陰で助かった。
でも、それからアズリア隊長の表情は曇ったまま。
イスラの言葉、ビジュの裏切り、それから、仲間の死。
そんな事がいっぺんに起こったのだから仕方がないのかもしれない。
「隊長のしたいようにすればいいんです。それでいつもみたいに俺達の前に立って、私についてこい、って言ってください」
「…っだが…」
「行って下さい。きっとあの人が待ってるから」
隊長は少し迷ったあと、小さく頷いてこの場を去った。
彼女を笑顔に戻せるのは俺じゃないから。
だからきっと今彼女に会おうとしているであろう彼に、全てを任せるんだ。
昔から付き合いのある彼に勝てる筈もない、ましてや俺は部下の1人だ。
だからってわけじゃないけど、諦めるわけでもないけど。
頼んだぜ、レックスさん。
信じるのはただ1人お題配布元:
Chien11様