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新学期に入ったばかりのある日。いつもならお昼休憩をしている時間に、路地裏を走り抜ける毛利の姿があった。
コンクリートの地面を力強く蹴りつけ、もがくようにして疾走していた。少しでも早く進もうと腕を必死に振って、息を吸う。空気が冷たく乾燥しており、取り込んだ空気が気管を凍り付かせる。喉が切れてしまいそうだった。
汗を浮かべるその顔は、真面目そのものだ。眉を寄せながら、脇目も振らずにひたすら走る。体を動かす中で、毛利はただある事だけを考えていた。

(月光さん……無事やろか……!)

その言葉を脳内で繰り返しながら、彼は走る速度を上げた。










昼、購買に並んでいた毛利の携帯に、一件の着信が入った。そのメロディを聞くや否や、毛利は顔色を変えた。かなり大きめの音量で流れたのは、彼とお揃いで説定した思い入れのある音楽だったのだ。
慌ててポケットに手を突っ込むと、バイブ機能で細かく震えるスマートフォンを掴んだ。あと少しすれば自分の会計が来る番だったにも関わらず、列を抜けて商品を戻しす。それから急いで人の居ない階段の踊り場へ移動した。
ばっと取り出して画面を見ると、そこには2つの受話機マークが出ていた。焦った為に危うく切ってしまいそうになったが、心を落ち着けて通話ボタンをタップし、耳に液晶を当てた。

「もしもし月光さん!?」

口元に手をかざして声がもれぬようにしたが、周りには誰も居ないので意味はない。
心音が、バクバクと大きく速くなる。彼の声を聞きたくて、知らずの内に音量を上げた。

「…………。」

返事はない。何やらザーザーという砂嵐のような音が聞こえるだけだ。

「月光さん?月光さん?!」

音声の聞こえないスマホを強く握った。自分からかけておいて一言も喋らない態度に腹が立つ。
しかし、ここである事に気付いた。

(あれ、何やろこれ……。)

何か、違和感があった。
一定の音声の中、耳につくものがある。普通の砂嵐の音に違うものが足されているような気がした。ザーという音に紛れて……何だろうか。鈍い、重い、そう。まるで殴られてるような……。

……殴られてる?

その言葉に、弾かれたように眼を見開いた。

「まさかっ!?」

嫌な汗が、ぶわっと背中に染み出した。物凄いスピードで血の気が引いていくのが分かる。
途端に今の彼の状態が心配になった。心臓を凍えた手で握られたような、とてつもない不安感に貫かれた。

「月光さん大丈夫っすか?!返事してください!」

電話を握り直し、必死に彼に呼び掛けた。もしかしたら返事もできない状況なのか。それともただふざけているのか……。この場合は前者の可能性が非常に高い。緊迫した空気が毛利を包んだ。
その時、ようやくはっきりとした声が届いた。

「っ、寿三郎……」

紛れもなく、越知の声だった。少し潰れたような声色をしてはいるが、間違いなく彼の声だった。
それを聞いた途端に毛利は少し安堵感を覚えた。少なくとも、全く喋れない訳ではない事が分かったのだ。

「月光さん!今どこで何してはるんすか!?」

毛利はやや食い気味で話し掛ける。聞き取れる限りでは通常の状態ではない。何もない事を願っていたその希望は無惨にも崩れ行く。
足音と共に荒い息がする。移動している事は予想できたが、誰かに追いかけられているのかただ走っているのかは分からない。

「月光さん、何でもええんで喋ってください!」

言いながら毛利は階段を駆け降りた。酷い事に巻き込まれているなら早く行って助けねばならない。善は急げと言われる意味が分かる。上靴の底が段差をを弾くようなスピードで一段抜かしをした。
1階の踊り場まで来た時、また越知の声が聞こえた。

「お前の学校の近くの……廃工場、そこで」

直後、ブツッと音がして連絡が途絶えた。突然の遮断に驚き、思わずスマホの画面を覗き込んだ。表示されているのは“通話時間2分26秒”という文字だけだ。だが、原因が電波障害ではない事くらい分かる。今度こそ彼の身にとんでもない事が起きたのではと、顔をしかめた。
ツーツーという虚しい機械音に舌打ちをすると、画面の電源を落として端末を握り締めた。
どこかの不良の争いに巻き込まれて逃げ回っているか、喧嘩に参加させられたかの、2つの仮説を立てた。何故そんな仮説を立てたか、それには理由もちゃんとある。それは越知の目だった。メンタルアサシンの異名を持つ彼の一睨みは、敵の戦意を喪失させる力がある。それを利用して喧嘩に勝とうとする輩がいる事を、毛利は知っていた。プラスして、以前似たような事例があった為に、余計にその説が自分の中で濃厚になっていった。
廊下をひた走っていると、一番奥に閉ざされた鉄製の扉が見えた。幸い鍵はかかっていなかった様で、すんなりと開ける事ができた。そこを通れば最早学校の敷地から出られたも同然。靴を履き替える事もせずに裏口から外へ出ると、その先に設置されたフェンスを乗り越えて、影に覆われた道へと足を進める。湿った空気が肌にまとわりついてくる様だったが、そんな事には気も止めず、一人険しい顔で昼の校舎から抜け出した。


それからかれこれ5分ほど経って、今に至る。

毛利の学校から廃工場まで、そんなに時間はかからない。走れば6〜7分で到着する程の距離だった。その証拠に、前方には廃れた工場の屋根がはっきり見えていた。周りの民家やビルを差し置いて、明らかにボロボロの建物だ。壁は所々崩れ変色し、暗い雰囲気をかもす。まさに不良のたまり場には打ってつけだった。
雨風にさらされて錆びきった茶色い屋根の下、そこに月光さんは居る。そう思うと、頭が先へ先へと体を急かした。腰は重いし脚は痺れるといった具合だったが、それを無視してでも走るスピードをあげた。既に息が苦しく休みたい気持ちもあったが、自分よりも越知の事を優先させたいのだ。喧嘩をして気まずかった事なんて今はどうでもいい。彼の状態だけが心配だった。

「後少しや……待っとってください月光さん……!」












当の越知は、憔悴しきっていた。廃工場の中、息を切らして座り込んでいた。
毛利の予想は当たっていた。越知は、その瞳が原因で、不良同士の争いに巻き込まれていたのだ。

同じ時の昼。彼と同じ高校に在学している不良達が、無理矢理越知を自分達の喧嘩に引きずり込んだ。恐喝ギリギリの脅しをかけられた越知は、やむを得ず了承するしかなかった。そうしてこの廃工場へ来てみると、敵の数はこちらより圧倒的に多いときた。逃げ出したいと思ったがその要望は通る筈がない。致し方なく指示された通り、前髪を掻き上げてその青い瞳を露にした。
彼の一睨みは敵に対してその効果を発揮した。しかし、全員にかかった訳ではなかった。肝の座った数人には精神重圧はかからず、前髪を降ろした直後に反撃をしてきた。特に、格闘に関して素人の越知には、ここぞとばかりに殴りかかってきたのだった。
その時に頬を2発と腹を3発……それから背中を強く蹴られ、動くのも辛い程のダメージを負ってしまった。越知は、鈍く酷い痛みに呻く事しか出来ず、鼻血を垂らして地面に這いつくばってしまう。
それを機に、大乱闘が始まった。戦意喪失した敵校の生徒そっちのけで、拳や蹴りが飛び交う。威嚇する声や地面に叩き付けられる音も耳に入ってきた。
越知は辛うじてその中から抜け出ると、ふらふらと頼りない足を懸命に進めた。そして重い拳を入れられた腹をさすりながら、吐き気をこらえて工場の裏へと走り出す。
途中で、ポケットに入ったスマートフォンを取り出した。本当は口をききたくなかったが、今は非常事態だ。彼なら、きっと助けてくれるだろうという望みを抱いて、震える指先で発信ボタンを押した。建物の中に身を潜め、途切れ途切れの息を落ち着かせて喋る。時折移動しながら、受話器の向こうの彼の声を聞いた。そして、一番重要な「助けてくれ」とと言う用件を伝える直前だった。敵の一人に見付かってしまったのは。
そいつはすぐに越知に近付くと、頬を一発ぶん殴って転倒させた。咄嗟に手が出て顔面強打は免れたものの、全身を激しい摩擦力が襲い、下ろし金を当てられたような痺れと痛みが感じられた。
衝撃によって手からするりと抜けたスマートフォンは、コンクリートの地面に激しく叩き付けられた。その勢いで故障してしまったのか、バキバキに割れた画面は何も映さなくなってしまった。
敵の男は、越知の無様な姿を見ると不適に笑ってその背中を蹴りつけた。肩甲骨の間を思いきり踏みつけられ、びくんと体が揺れる。気管がむかむかとして咳が出た。
ふと、うつ伏せに倒れた越知の視界にあるものが映った。壁に立て掛けられた鉄パイプだった。
銀に光るその棒を見た瞬間、青い瞳に光が宿った。未だに背を踏み続ける足を二の腕で払うと、素早く起き上がって鉄パイプを握った。尻餅をつく男を尻目にヒビの入ったスマホを拾うと、左手首のスナップを効かせてそれを宙に浮かせる。ほぼ同時に、慣れたモーションで体勢を整えた。自分の頭より少し高い位置、端末の動きが一瞬止まった瞬間、越知は鉄パイプを携帯に向かって振り降ろした。

マッハだった。

2m越えの長身から繰り出されるサーブは、視覚が捉えられない程のスピードで男の顔面に突っ込んだ。固い固い人工物を顔で受け止めた男は、勢いに押されて地面に背をつける。それきりうんともすんとも言わなくなり、気絶してしまったのだろうと越知は悟った。
鉄パイプを握ったまま、最早原型を留めていない黒い端末を拾い上げた。液晶は粉々で、側面が歪んでおり、こんなものでは到底電話もできない。機種変更をしなければならないなと苦笑しながら黒い塊をポケットに突っ込むと、溢れる鼻血を拭って壁にもたれかかった。
男を立たせない状態にした安心感からか、忘れていた腹の痛みがよみがえってきた。鳩尾に拳を深く入れられた事を思い出し、後で念の為に病院へ行こうかと考える。
そう言えば……。異変に気づいた越知は外の方向を見やった。
……音が、しない。
先程まで男達の声が響いていたと言うのに、今は何の音もしない空間が気になった。殴りあってるなら騒音がしても良い筈なのだが、静寂が辺りを支配している。……勝負がついたのだろうか?重い腰を上げると、越知は足音を立てないよう来た道を辿った。


「これは……。」

最初に2校の生徒が対面した場をこっそり覗くと、そこには倒れた人の山があった。その異様な光景に思わず唾を飲み込む。ぴくりとも動かない者がいれば、微かに呻く者もいるし、中には衣服さえもズタボロにされて気絶している者もいた。それだけならまだしも奇妙な点はもう1つある。
立っている人間が、誰一人いない事だ。
普通の喧嘩ならば勝ち負けというものが存在する。そうなれば、少なからず勝者に値する人がいなければならない。しかし、今この場には勝者と呼べるべき者の姿が確認できないのだ。更に、倒れ込んでいる生徒の制服は二種類ある。……という事は引き分けなのだろうか?
越知が怪訝そうな表情をしたその時だった。
視界の端の方。歩いてくる人間の姿があった。
悠然と……しっかりした足取りで、人の床を歩く一人の男。呑気そうに後頭部を掻き、キョロキョロと周りを見回している。逆光な為シルエットとしてしか捉えられないが、その歩き方や体躯には見覚えがあった。

「……寿三郎か?」

思った事が口に出ていた。
左手を腰骨の辺りに置いて、踵を擦り気味に歩くあの動き……。あれは紛れもなく寿三郎だ。
壁に身を潜めていた越知は、自分の姿を男の前に晒した。そうするなり、シルエットの男は一瞬動きを止めて、こちらへ向かって走り出してきた。

「……!!月光さんっ!」

安堵感を含む、聞き慣れた声だった。
彼は嬉しそうに越知の名を呼ぶと、ぱたぱたと走ってその長身に抱き着いた。

「月光さん無事やったんすね!」

腕を背に回され、痛いほどに抱き締められた。胴体をぎゅうっと抱擁しながら、胸板に顔をすりすりさせる。その声色は若干だが涙ぐんでいた。
越知は彼の癖っ毛に指を絡めた。

「寿三郎……呼び出して悪かったな。」

自分の体ににこれでもかとしがみつく毛利の頭を撫でる。彼氏の温もりというものを久し振りに感じた気がした。

「そんな、ええっすよ!月光さんの為なら俺どこへでも行きまっせ?!」

ぱっと顔を上げた毛利は、潤んだ瞳でこちらを見つめた。その子猫のような可愛らしい顔を見て、越知は口元を緩めた。

「そうか、ありがとう。……ところで、これはお前がやったのか?」

前方の方。床に転がっている男達の方を、指差した。誰一人して立ち上がろうとしない男の山。毛利は越知と同じ方向を見ると、得意そうにへへっと笑う。

「そっすよ。関節技は得意っすからね。」

「大したものだな。お陰で助かった、ありがとう。」

「あ……でも、俺月光さんに謝らなアカンのに……。」

毛利の声のトーンが下がった。さっきまでの自慢げな表情はどこへやら、しょんぼりと落ち込んだ顔になってしまった。

「謝る?」

「ほら、喧嘩……俺んち来た時、月光さん怒らせてしもたやつ……。」

聞き返すと、更にうつむいてしまった。色々思い出させてしまったらしく、ブレザーをがっちり握っている。
越知はため息を着くと、震える拳をそっと掌で包んだ。互いの体温が感じられる。

「ああ、あれか。……あれはもういい。今、こうしてこの場に来てくれた事が嬉しかったからな。」

「そっすか……でも、ほんまにごめんなさい。あれ、月光さんが嫌いやからとかそんなんじゃなくて」

「弁明はいい。分かっている。……こちらこそ突っぱねて済まなかった。」

彼の肩に額をつけるように、越知が頭を下げた。

「いやいや、そうさせたんは俺の態度やから……月光さんは謝らんでください!」

越知の背中をぽんぽんとやんわり叩く。

「……そうか。」

「はい。……てか月光さん、今更っすけどその怪我……」

越知は心配そうに出血箇所を見つめる視線に気づいた。

「ああ、気にするな。これくらいどうとでもない。」

血は出ているが大怪我というレベルではない。ただの軽傷だ。

「……………………。」

毛利の手が彼の頬に触れた。

「何だ?」

ぺたぺたと肌を触る手を気にせず、越知は首を傾げる。毛利は少し慌てたようにしてぱっと指を離した。

「あ、いや……。痕、残るんかなって。」

「ふむ……頬の傷は痣にはなるだろうな。」

大分痛みは引いたが、じんわりと赤みを帯びる頬骨の辺りに、自分の指で触れる。

「…………そっすか。」

少し間が空いた。毛利は頬の傷と、止まりかけの鼻血を交互に見やる。何やら考え込んでいるような目をしていた。

「……月光さん。」

呟くように毛利が言った。

「ん?」

「痛いんは嫌いっすか?」

越知の頭に疑問符が浮かんだ。

「痛み?……好きだとは思わないな。」

普通の人間の感覚ならばそうだろう。痛みを良しとする人など稀だ。
妙な事を聞く奴だな。越知は彼の頭に手を置き、さすった。

「……そっすよね。」

分かりきっていた、という反応だった。毛利は目を伏せがちに、意味ありげな表情を浮かべる。

「何だ?言いたい事があるなら遠慮せずに言え。」

思い悩んでいるような面持ちに、答弁を促した。

「あ、えー……月光さんは、俺が月光さんを愛してる証拠欲しいっすか?」

「どうした急に。まあ、欲しくない訳ではないが。」

証拠が残るなら、それはそれで欲しいという自分がいる。愛であろうと友情であろうと、それが確証されるなら越した事はない。

「それが、俺の手による傷でもっすか……?」

越知の動きが止まった。

「傷……?」

いよいよ越知の疑問が膨らむ。制止していた手が、再びゆっくり動き出した。

「傷です。……傷なら、痕として月光さんの体に残る。」

躊躇いがちに、もそもそとぼかすように言った。
自分は恋人に対して何を口走っているのだろう。そんな後ろめたい考えが脳を支配した。

「…………。」

越知は無言だ。
当たり前の反応だろう。傷なら愛の証拠として残るだのと言われても、そんなものは認められない。それに、痛いのは嫌だとさっきも言ってたではないか。
撤回するべく、毛利はあわあわとまた口を開いた。

「……あ、えっと、月光さんが嫌やったら、月光さんの体に傷痕を残すような事はせえへんし、前みたいに甘々な生活しましょ。俺かて殴りたくとかないし何より……」

「別にいい。」

越知の言葉が文末を遮った。
毛利にとって、それは意外な反応だったのだろうか。異様に驚いて、見開いたくりくりの瞳を向けた。

「愛しているからこその傷なのだろう?」

いつもと何ら変わらぬ眼差しだった。慈愛と言うべきだろうか。青い目は、柔らかに男を映した。
毛利はこくりと頷いた。ブレずにしっかりと、意思をもって首を縦に振る。そしてまたくっつき虫のように、余計に密着した。
……その姿を、愛しいと思った。
やはり自分は、隣には彼が居なければ寂しいらしい。いくら表面で避けようと、本心では共に居たいと思っている事は、今回の件で嫌というほど分かった。
……ならばもう、建前は要らない。本心でぶつかり合うまでだ。愛の形が変わろうと、愛そのものは変化しない。

「なら構わない。お前が愛してくれるのなら、どんな形でもそれを受け止めよう。俺もお前を愛しているから。」

柔らかな微笑みが、毛利の目に映った。
初夏のあの日に見た、愛情の滲む綻びの表情だった。

「月光さん……。」

腰元に回した腕に力が入った。
愛しくて愛しくて、これ以上ないくらいに彼を好いている。
利き手を越知の顎に添えた。ぴとりと肌が密着させ、軽く顔をうつ向かせる。身長差があるので背伸びをした。
越知の唇に、己のそれをゆるく重ねた。殴られたせいで口内に傷ができていたのか、少しばかり鉄の味を感じる。が、同時に、確かな熱も感じた。
口を離す。当然ながら、目の前にドアップになった彼の顔があった。銀色の前髪の隙間から覗く瞳。それは自分の顔しか見ていない。その事実が嬉しかった。
もっと、手を伸ばした。両手を後頭部に添えて、顔と顔の距離を縮めた。掌に決して固くない髪質を感じる。うなじの辺りに手をずらし、また唇を近づけた。
そうして、今度は頬の傷痕に口付けをして、


頬の傷痕に口付けをして…………


























その顔面を殴った。




































それが新たな二人関係の始まりだった。




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