ひらひら白い雪化粧。
寒さに揺れる帰り道。
手袋もなく冷えた指先に
君の熱がぶつかって
何だか少し、ドキドキしてる。



≪熱さに腫れる≫



「しっかし、本当に雪降るとは思わんかったわ」
「うん。昨日暖かかったもんね」

クラスメイトの白石と帰る。
部活があった頃にたまたま一緒だった帰りの時間は
引退してからも続いてる。
ただ一緒に帰る通学路。

「そういえば、昨日までは手袋してへんかった?」
「今朝はしてたよ。朝落っことしちゃって汚くなっちゃったの」
「何で落としたん」
「携帯を操作しようとしてね…」

苦笑いしてそう言えば、白石は呆れた顔をして笑う。

「雪降っとる時くらい、携帯やめとき」
「本当、もう二度とやらないよ」
「そうやな」

そう言った白石がぎゅっと私の右手を掴んで
びっくりして見上げると、寒さのせいか赤い頬。

「何や、めっちゃくちゃ冷たいな」
「…白石の手も冷たいよ」
「せやな…。せやったら、繋いで歩こか」

ふっと笑った白石の左手が絡んで私の手を握る。
何だか妙にドキドキして、雪の上なのに何故か顔が熱くて。

「顔、赤いで」
「…しもやけしたんだよ」
「ははっ、そうか」

触れてるところがじんじんする。
そう、まるで霜焼けしたみたい。
赤くて、痛くて。

熱くなる。


明日も手袋忘れてこようかな。


次はブン太



人気急上昇中のBL小説
BL小説 BLove
- ナノ -