例えば、スパルタ教育を受けたときとか


「何だてめー喧嘩売ってやがんのかあ゙ぁ゙!?」








「あら野蛮な喋り方」
「てめーが怒らせてんだろうが!あのな、あたしは貧乳なんかじゃ、ない!断じて!」
「貧乳が何を言うの!」
「こんのーてめー蛇のくせに!」

そう、あたしは只今あのクソ生意気な蛇、ナギニと戦闘中である。









口で。

え、魔法使え?
攻撃魔法なんて野蛮な呪文まだまだあたしは使えましぇーん!
それにナギニに攻撃なんてしたら卿に殺される!
…うん、こっちが本音だね。
さて、何でこんな口げんかが始まっているかというと、答えは朝にさかのぼる。
今朝、あたしは清清しい気持ちで目覚めました。





嘘です。

朝、なんっか苦しいなーって思って起きたら、ナギニがあたしの体をロープでぐるぐるーって巻きつけるみたいに絞めてました。
こんにゃろうって思って噛み付いたら「何すんのよッ!」って言われた。
こっちの台詞じゃてめーバカヤロー!

「一分以内に支度なさい!59、58」
「うえええちょ、待て!」

とりあえず顔を洗って歯を磨いて時計を確認。

「まだ11時じゃん!」
「もう!11時でしょ!あんたはいつも寝すぎなのよ!いつか豚になるわよ」
「黙れクソ蛇!ぎゃあ杖!杖持たなきゃ!」
「3、」
「うええ早いってちょ、」
「終了、行くわよ」
「ぐげえ゙え゙!つっ、掴むならせめて首じゃなくて手にしろ手に!」
「仕方ないわね」

そう言ってナギニはあたしの腕に尻尾を巻きつけた。
何が仕方ないわねだ何が。
しかし本当にパジャマのままで来てしまった。
へん、卿に何か言われたら全部ナギニのせいにしてやろう!

「いつまでもぐーたらしてるから貧乳なのよ」
「何だてめー喧嘩売ってやがんのかあ゙ぁ゙!?」

そこで冒頭に戻るわけである。












「………パジャマ?」



卿の部屋に着くなり言われた言葉はおはようなどという挨拶などではなく、着ている服に関して(しかも疑問系)だった。

「仕方ないんですよだってナギニが寝起きなのに急かすから服着替える間もなくてですね!」
「この時間まで寝ていた貴様が悪い」

一蹴された。

「えーと、まず何の呪文から行きます?インセンディオとかやっちゃいます!?」
「貴様何を燃やすつもりだ」
「え、そりゃあナギn…嘘ですごめんなさいごめんなさい」

卿が懐から杖を出したのを見て速効で謝ると、卿はふんと鼻を鳴らして一冊の呪文集らしき本をあたしに渡した。どんな呪文が書いてあるのかと思って本を開いてみた、けど。
そういえば英語読めないんだった忘れてた。

「卿、英語読めないっす」
「勉強しろ」
「そんな無茶な!」
「ならせめて翻訳魔法を習得しろ」
「あ、そうだね、え、今日は翻訳魔法やるかんじ?」
「そうするか」
「あ、もしかして計画とかなかった?」
「…………」
「図星?図星?」
「シレンシオ」
「むぐっ!」

筆記に出ようとすると卿はそれを察知して紙とペンをサッとあたしから遠ざけた。
杖を空中に浮かせて文字を書いてみようとした。
ほら、秘密の部屋で日記のリドルんがやった感じに!
でも現実そううまくはいかないようであたしの杖の先から出るのは煙のようなくすんだ灰色だった。文字なんて書けるわけがない。
どうやら卿はあたしが悪戦苦闘しているのを楽しんでいるようで(ドSめ!)くつくつと笑っている。
無言呪文?そんな高等な技使えるはずもない、けど!とりあえずシレンシオを打破する為の無言呪文を習得しよう。




そう心に堅く誓った璃紅であった。











「まず、これから話すことを翻訳したいのならば、自分の喉に杖を当て…、別に突き刺せとは言っておらん!」
「ぐげっ!」
「次ふざけた真似をしてみろ、磔の呪文を使うぞ」
「すんませんごめんなさい真面目にやりますだからクルーシオは勘弁してください」
「そして”spiricious”と唱える」
「す、すぴりしゃす」
「違うわ馬鹿者!Spiricious!」
「Spilicious!」
「LではなくRの発音だ!」
「Spiricias!」
「IASではない!IOUSだ!」
「すっ、Spiricious!」
「できたではないか」
「お?おぉ…!」
「今の発音を忘れるな」
「い、いえっさー!了解です!」
「杖先を喉に軽く当て、軽くだ!先ほどの呪文を唱えろ」
「Spiricious!」
「ふんっ、まぁいいだろう。それで10分ほどは翻訳されたままの筈だ」
「10分だけ!?卿があたしに使ってる感じのずっと使えるの教えてよ!」
「まだ貴様には早いわ!俺様の呪文がずっと効いているのは俺様の魔力が高いからだ!魔法を覚えたての貴様なんぞが扱える呪文ではない」
「えーっ」
「魔法を使えるようになれば教えてやらないでもないぞ」
「おっ!じゃあ頑張る!」
「話せるようになったら次は聞く方だ。いいか、相手の言葉を翻訳する為には」
「げえッ!もしかして別々なの!?てか休ませ「ほう?貴様、俺様の貴重な時間を潰しておいて休憩したい、等とぬかすのか?」いえ…」
「いやだって卿が教えてやろうとか言ったんじゃんかバーカバーカ」
「へっ?」
「と、思っただろう貴様」
「ぎくり」
「まぁいい。杖先は自分の耳に近づけて」
「ひーんっ卿のスパルタぁーっ!」
















「つ、疲れたぁあああああっっ!!」
「うるさい」
「だって何か叫びたい気分なんだもの!仕方ない!疲れたあああああああああああああああ!」

卿の教育のお陰なのか分からないけど、とりあえずの翻訳魔法は習得。今現在、卿には翻訳魔法を解いてもらっている。
へへん!だから今自分でかけた翻訳魔法でさっきの会話は成り立ってるわけだよ、うん!うわー、なんか感動だ!


「ねぇー、卿、ちゃんとうちの言葉英訳されてるー?」
「何回聞くのだ。鬱陶しいぞ」

卿が言うには今なら10分と言わず一日は効力が保つようになったそうだ(さすがあたし!)(いや決して卿のおかげなんかじゃないから!あたしの実力だから!)。

「いやー、でも感動だねー!魔法使うってすっばらしーっ!」
「また始めるか」
「勘弁です超勘弁マジ勘弁!」
「冗談だ」
「卿が言うと冗談に聞こえないです」
「それはそうと宿題だ」
「はい?」

卿はそんな言葉とともに魔法で一冊の本を出した。

「何、これ?」
「この本の30ページまでを和訳して暗記しろ」
「暗記とか無理ですからあああああああああああああ!何その無茶振り!」
「頭に叩き込め!」
「ぎゃああ無理無理!あたし絶対どの学校にも一人はいる落ちこぼれってやつですよ!」
「大丈夫、璃紅ならできる」
「うわ何今の卿らしくない台詞!」
「出来たならばビックリチョコを一箱買ってやろう」
「超やる気出てきました頑張ります」
「………単細胞」
「わーわーわー聞こえないー!聞こえないー!」
「ふむ。翻訳魔法が切れたのか。もう一度呪文「ごめんなさい」ふんっ」

彼は俺様に勝つなど100万年早いわと鼻を鳴らして勝ち誇った笑みを浮かべた。

「さっさと部屋に戻って呪文を覚えて来い。俺様は今から出かける」
「はーいっ、じゃあ、また明日ぁー!」



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