そうして囚われの少女は


「あたしが海賊王になるわ!………嘘ですえへあの謝るんで刀ちょっと退けてひい何でもありません」


リアは首元にグリグリと押しやられるそれを見た。


ひいっ長刀ではありませんか。

鞘付きじゃなかったらあたし今頃血ぶしゅぶしゅじゃまいか。


彼ははあたしの首元に当てていた長刀をゆっくりと下ろした。


「誰が海賊王になるって?えぇ?」


刀ではなくメスを首に突き付け彼は愉しそうに笑った。


「(ひいっ、さっきより危険に…)」

「このまま調教も兼ねて麻酔無しでオペしてやろうか」

「本当にごめんなさいいえ悪気はなかったんです」


ってちょっと待て。

どうしてあたしは初対面の人にこんなにビクビクしているんだろうか。

そうだ恐れることはないあたしはつおい!


勇気を出してキッと彼を睨んでみた。


「あ゙ぁ?」

「すんませんでした」


はい一秒足らずで睨み合いは終了。

当たり前だろうがだってこの人確実に危ない人だよだって長刀なんて持ってるもん!

そして長刀に負けず劣らず何そのクマ!?

どんだけ睡眠時間少ないんですかあと彼に聞きたい。

でもそんなこと出来ない。

彼には実は凄い暗そうな過去があるからとかそんな訳はない。

只単純に怖くて聞けないだけである。

ようしこんな時こそ友人に聞いてもらうのだ!

しかし肝心の友達はとっくのとうに逃げたという。

ああなんて可哀想なリアちゃん!


「お、おおおお兄さん海賊の方?」

「おれを知らねぇのか」


やっぱ海賊ですよねえー………。

しかもおれを知らねぇのかと言うからには随分つおい海賊さんなんですね。


「そして海賊のお兄さんに質問あたしが無事に家に帰れる可能性はどれくらい!?」

「0」

「いやあああああ!そんなあたしじゃあ死ぬんで」


ぐ、とメスをさらに首に突き付けられた。


「少し静かにしろ」

「はひ…」


うえええん怖いよこのお兄さん!


畜生何で事の発端のアイツがいないんだ!

だってあたし友達におれは海賊王になるを女版で言ってみなんて言われたからああ言っただけなに!


そしてそのままの状態で無言でいること5分。


いきなり大勢が走るようなドタドタと足音が聞こえた。


「いたぞ、こっちだ!」

「チッ、海軍か」


キター救世主!


「かっ、海軍さんこっちこっぐへえっ!ちょ、なななな何するんですかあなた」

「黙ってないと舌噛むぜ」

「あべら」


言われたそばから噛んじゃったけどリアちゃん気にしないもんね!


「名前は」

「リア・ラミールピチピチの18歳でっすほし」

「………(星って自分で言っちまう辺りが物凄くイタイ)」

「(あれ今あたし憐れみの目で見られた?いやまっさかー!)あのあの名前も知らぬ海賊のお方!」

「ローだ」

「ローさんっ!」

「言ったろ?お前は無事に家には帰れない。お前の帰る場所は今日からおれの船だ。おれと来い、リア」



そうして囚われの少女は

恋に落ちました。

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