砂漠の王者が海の王者に恋をした


「もしもーし、もしもーし」


ピタピタ顔を叩かれ、そこでクロコダイルは目を覚ました。


「大丈夫?」


上から心地好い声がかけられる。

出来ればもう少し目を閉じたままこの声を聞いていたかったがそうもいかない。

この声の主は誰だ。


クロコダイルはうっすらと目を開けた。

まず目の前に映ったのは綺麗なブロンドの髪だった。

長くて緩くウェーブがかかっている。

更に上に目をやると綺麗な蒼い瞳の女が映った。

端整な顔立ちをしている。

おれが目を開けたのに気付いたのかその女は嬉しそうにほっと息をついた。


ここはどこだ、そう聞こうとしたがどうやら声は掠れているらしい。

声が出ない。

それにしてもこの女は誰だ。


それが気になり億劫がる体に鞭打って体を起こした。

女の足がある筈の部分には尾ひれがある。


ああ、これが噂に聞く人魚か。


「大丈夫?」


心配そうに言うソイツに平気だと言う意思を伝えるため頷く。

するとまた女は嬉しそうにほっと息をついた。


他人が助かって何が嬉しいのか。

心情はわからなかったが、助けられたことに関しては礼を言おう。


辺りを見回すとすぐ近くに海があった。

どうやらここは浜辺のようだ。


「………ここはどこだ」


声はどうやら枯れきってはいなかったらしい。


「アラバスタの端っこの海岸だよ」

「そうか…お前がおれを助けたのか?」


聞くまでもなかったが、聞いてみた。

果たして答えはいえすだった。


「…………一人で棲んでるのか?」

「え?うん…」

「そうか…世話になったな」

「え、もう行っちゃうの!?」

「そうだな、そんなに残念なら、おれの国に来るか?」

「くに?」

「直にここはおれの国になる。そのユートピアに連れってってやろうか」

「ゆーとぴあ…よくわかんないけど行く!」

「クハハハハッ。歓迎しよう」




砂漠の王者が海の王者に恋をした
(そうだ、今度こいつを海に連れていこう)(こいつにはやはり砂漠より海の方が似合う)

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