これが言いたかった
「蛇姫、とか言ったわねアンタ」
「何じゃ貴様は…。わらわにアンタと呼んでいいのはこの世で唯1人、ルフィだけなのじゃ!」
「あ…あぁ、そう…じゃなくて!うちのクルーどうしてくれんの!」
ほら、使い物にならんくなった!
そうリアはキャスケットペンギンその他もろもろを指さして噛みつくように言った。
確かにキャスケットもペンギンもハンコックをチラチラと見ては溜め息をつくのだった。
「それもこれもわらわの美貌故じゃな」
「黙れナルシスト!」
つっこんでからリアは懐からハンカチを出してキィーッと噛み始めた。
「あんたさんが来るまでここの船に紅一点しかもお色気担当だったのに!」
「いやお色気担当はもともとお前じゃないから」
ザクリ
リアは雷のごとき速さで懐からナイフを出してそれをキャスケットのキャスケット帽目掛けて投げた。
結果、キャスケットの髪の毛数本とキャスケット帽がナイフに持って行かれたキャスケットは冷や汗を流して黙ったのだった。
「つまりアンタが来たからあたしのキャラが立たなくなっちゃったの!」
「いやお前はボケキャラ要員だから」
カカカカカッ
見事にペンギンの腕と足と胴の部分をナイフで縫い付けたリアはまた何事も無かったかのようにハンコックに向かって話し掛けた。
「くびれは!…………ま、まぁまぁ、あ、あるみたいね」
「当然じゃ。わらわを誰だと思っておる」
「胸は………」
「比べるまでもなかっ…あ、いやいや違うゴメン嘘!」
リアがまた手を懐に入れたのを見て慌てて訂正するキャスケット。
「………………別に体が重要なんじゃないのよ!」
「いやお色気は………」
次はリアが懐に手を入れる前に殺気を感知して黙るキャスケット。
「そ、そう!例えば性格とか!」
「がさつって時点でリアの負けだな」
「あぁ」
カカッ
「黙ろうか?」
ニッコリと笑いかけるリアに高速で頷くキャスケットとペンギン。
「つまりはキャプテンにはずぇーっったいに手ぇ出さないでね!」
これが言いたかった
(つまりじゃないよな)(あぁ、つまりじゃねぇ)(そこお黙り!)