「リア、愛してる…」












その言葉を男は狂ったように傍らの女に向かって話しかける。
男はこの世のものとは思えない程美形で妖艶さをかもし出しており、女はこの世のものとは思えない程美しかった。
部屋には何かが腐ったような匂いが充満していた。常人には吐き気を催すようなこの匂いに、しかしその男はその匂いに酔っているかのように、どこか恍惚の表情でその女を見ていた。

「リア、愛してる」

もう一度呟くと彼はその女の頬を撫でた。
傍から見ればなんとも羨ましい光景である。ただ一つ、女の体が六つに分けられている事を除いては。
女は首と胴と手足で分けられていた。女の顔色は異様に白く、あぁ死体なのだと見る者を納得させるような何かがあった。手足の切り口からは血は全く流れ出ておらず、それがさらに不気味さを醸し出していた。
それらを男は愛おしげに眺め、そしてその右手の小指を口まで持って行き、齧った。
男の口の中には鉄の味が広がるが、それが愛しいとでもいうように彼は顔に笑みを浮かべた。何も知らない人間が見たらまるでイエス・キリストが慈しみの笑みを浮かべているかのような錯覚に陥るだろう。










「愛してる」



「愛してる」



「愛してる」



「愛してる」














そして男は女の唇にキスをおとした――――――。



























「っていう夢を見たんだよ」
「グロいわ!!」




食べる
(君が死んだら、僕が腐る前に全部食べてあげる)(怖いよ!)




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