きっとアルバム


「あっ、駄目ッ、卿、そんなトコいじっちゃ、ああっ」


ルシウスはピタリと足を止めた。


何だ今のは。

確かにリアの声だった。

そして確かに彼女は「卿」と呼んだ。


いやいやいやいや。

まさかそんなばかなあほな!


だがしかしここはリアの部屋の扉の真ん前。


「あぁっ、見ちゃ駄目ぇっ、やっ、」


有り得るのか!?

いや確かにリアと我が君は仲がいい。

いやしかしだ。

恋仲でもない。

いや、実は自分達が知らないだけで彼らはあんなことやこんなことまでする仲なのか!?


「あっ、そこ駄目ぇッ!」


そして何やら聞こえるギシギシと言う音。


…………え、ガチで?


「やっ、壊れるッ!」

「壊れてしまえ」


確かに今聞こえたあの声は我が君の声で間違いない。

………こんな昼間っから!?


するといきなり扉がバンと開いた。


「あっ、ルシウス!聞いてよ酷いんだよ卿ったら!」

「………はい?」


見るとリアの服は乱れてもいないしキスマークもついていない。

多少涙目で呼吸も乱れてはいるがヤった後の状態かと聞かれればそうでもない。


一体……?


「部屋に勝手に入ってきたと思えば駄目って言うのに見るしさあーっ!」

「…………え」

「しかもあたしのお気に入りの物壊そうとするし!」

「……………」

「仕返ししようと思って卿の部屋に行こうとしたら君がいたと言うわけだよ」

「……………そんな馬鹿な…」


ルシウスはがっくりと項垂れ、スゴスゴと自室へと向かった。




駄目なのはきっとアルバム
(卿、ルッシー大丈夫かな)(放っておけ)




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