「…最悪っ…!」

今日はこんな日じゃなかった。放課後に幼馴染みの一静くんとデートをする約束をしていたのに…!しかも普通のデートじゃなくて制服デート。一静くんは制服が似合わないから嫌だとずっと言っていたのを何とかお願いして取り付けたのに

「…先生のバカ…!」

今日に限って日直の仕事を増やすなんて、そんなだから結婚できないんだ!と心の中で悪態をついても何も解決しない。走って待ち合わせ場所に行くと、周りの人達より頭一つ飛び出ている彼が。

「…っ、一静くん…!」
「おっ。お疲れ」
「ごめんなさい…!私から約束したのに…」
「平気だよ。それより災難だったなー日直の仕事増やされるとか」

お疲れ、と頭を撫でてくれる一静くんに泣きたくなった。優しすぎるよ。

「…うー…」
「はいはい、泣かないの」
「…だってー…」

私から約束したのに、制服似合わないから嫌だって言っていたのに。楽しみにしていたデートの時間も短くなって、悔しくて申し訳なくて悲しい…と溢したら一静くんが優しく笑って

「大丈夫、まだ時間はあるから」

ほらデートするんだろう?と私の手を握ってくれる一静くんが王子様に見えた。きっと制服が白いっていうのもあると思うけれど。

「…一静くん…王子様…」
「へっ…?」
「一静くん、制服似合う。王子様みたい」
「……名前、恥ずかしいから…」

照れた一静くんも、制服姿の一静くんもレアで。12時に魔法がとける、なんて事もないけれど時間が許す限りデートを楽しもう。


葵様[年下の幼馴染の女の子と学校帰り 制服デートの約束をしたが彼女が時間に間に合わず遅れてしまった]「大丈夫、まだ時間はあるから」という事で違う学校同士かな、と思いこの形にしました。リクエストありがとうございました!(御井)




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