不満と恐怖地元限界 物資ストップ「見殺しに等しい」


河北新報 3月17日(木)6時13分配信

 「このままでは見殺しだ」。東京電力福島第1原発(福島県大熊町、双葉町)で続く空前の危機に16日、福島県内の不安は極限に近づいた。屋内退避の指示が出た原発から30キロ圏内の自治体は極端な物資不足に陥った。自治体関係者らは「物流が止まった」「まるでゴーストタウンだ」と支援態勢に不満と怒りをぶつける。巨大津波に続き、迫る恐怖。放射性物質から逃れようとする人は、列島を横断して日本海側などへと向かった。
(福島総局)

 原町区、小高区などに屋内退避指示が出ている南相馬市。
 桜井勝延市長は「退避指示の影響なのか、医薬品も油も何も入ってこなくなった」と陸の孤島と化した現状を説明する。
 市内には、東日本大震災の津波で行方不明になった家族を捜すため、被ばくの恐怖におびえながら残る人もいる。火葬の油も調達できず、遺体は腐敗しつつあるという。
 「住民に家にこもっていろというのは見殺しに等しい。国が命を守るというのは空文句だ」と桜井市長。「国や県は現地に足を踏み入れ、惨状を目の当たりにしたらどうか」と痛烈に批判した。
 市の一部が30キロ圏内の田村市も16日、一気に食料などが入ってこなくなったという。ガソリンもなく、ボランティアらが歩いて高齢者の自宅を訪ね、世話をする状態だ。
 冨塚市長は「国は原発が爆発したら何キロまでが危険かを明確に示し、危ないのなら受け入れ先を調整すべきだ。このままご飯がもらえないと、ここにいる人は死んでしまう」と訴える。
 同じく市北部の一部が30キロ圏内に入るいわき市。市地域医療対策室の男性職員(48)は「実際はほぼ全市で屋内待避している。まるでゴーストタウンだ」と嘆いた。
 南相馬市の北隣、相馬市に退避指示は出ていないが、既に脱出した市民も多い。市内の男性(39)は「逃げられるものなら逃げたいが、ガソリンが底を突きかけている。まして避難所にいる知人らは逃げろと言われても逃げるすべがない」と表情を曇らせた。
 原発から少しでも離れようと、県北部の福島市や伊達市に避難する人も増えている。伊達市では、地震による市内の避難者約800人に避難所からいったん帰宅してもらい、原発事故の避難者受け入れに切り替えた。


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