一緒に寝る。甘やかす。





暖かい陽光がベランダの窓から室内を照らし出している。1月とはいえ、寒風の吹き込まない屋内はとてもポカポカとして暖かい。布団に包まっていると思わず眠たくなってしまいそうな陽気だった。
そんなうとうとと気だるい雰囲気の中、傍らで布団がもぞもぞと蠢いた。見ると、掛布の間からさらさらの黒髪が覗いている。
「いざや、いざや、寝るの?」
問いかけると、黒髪の主は「うぅん」と呻き声を上げて毛布への奥へと潜り込んでいった。どうやらまだ彼はおねむらしい。新羅は嘆息を吐いて自らも布団へ潜り込んだ。
狭いベッドの中で身を寄せ合うようにしていると、臨也の規則正しい寝息が聞こえてきた。新羅に兄弟はいないが、きっといたらこんな感じだろうと思った。
戯れに身を寄せて、二人の体温に温まった柔らかい布団の感触を味わう。額と額を押し当てて、睫毛を臥せる瞼に唇を寄せた。
「猫みたい」
新羅はクスクスと笑みを浮かべて目を閉じた。




おわり