※ひたすら乳首ペロペロします。
挿れません。ペロペロ






気だるい空気の流れる室内にカーテンの隙間から爽やかな陽光が差し込んでいる。
秋口ともなれば、先月までの茹だるような残暑もなく過ごしやすい日々が続いていた。

臨也はパチリと目を開け、腹の上に感じる重みの正体を見た。仰向けに寝転ぶ臨也の腰を抱きしめるようにしている傷んだ金髪が視界に入る。昨晩は静雄が新宿の臨也のマンションに来ていたため、二人とも下着だけ身に付けただけである。さらさらと触れる肌が心地よい。
時計を見ると既に午前9時半を回っていた。
普段ならとっくに事務所で秘書の波江が待機している時間だが、静雄が新宿に泊まるときだけは彼女には午後出勤と伝えてある。だから今この家には静雄と臨也の二人だけだ。
「んぅ」
手持ちぶさたにしていた臨也の手が静雄の傷んだ髪の毛を弄んでいると、不意に腹の上の金髪がもぞもぞと動き出した。
「あ、起きた?」
「…………ん」
静雄は眠そうに目を擦りながら、臨也の腰を抱き締めて何やらふにゃふにゃと唸っている。臨也はそんな静雄の髪を悪戯に指先に絡めながらされるがままになっていた。
「今、何時?」
「9時半過ぎくらいかな」
「あー……結構寝ちまった……」
口ではそう言いつつも、まだ完全には目覚めていないらしく静雄は臨也の腹の上で今にも眠ってしまいそうである。
臨也はと言えば、情事の後失神するように熟睡してしまったため、すっかり目が覚めてしまっていた。
なので、暇をもて余してベッドサイドに置かれた読み掛けの文庫本に手を伸ばした。
取り立て屋である静雄の職場は、土日祭日の方が債務者がいる可能性が高いため会社員とはいっても不定休が基本である。
臨也とは違って正統派に堅実な静雄は、こうして翌日が休日の時のみこうして泊まりに来るのだ。
「あ」
眠ったとばかり思っていた静雄が不意に顔を上げ、声を上げる。
「ん……何?」
臨也は文庫本から視線を外すと、臨也の腰に懐いている静雄を見た。
「昨日……そういや舐めてねえよな」
「何を?」
余りにも脈絡の無い発言に臨也は首を傾げる。相変わらず静雄は目を擦りながら眠たげにしているため、寝惚けたのだろうかと臨也は再び文庫本に視線を落とした。
しかし、静雄が臨也の腹に髪を押し付けるようにして頭を振るため、臨也は擽ったさに身を捩る。
「……ちょっとぉ……」
静雄は自分の事を抱き枕か何かと勘違いしているのではないだろうか。臨也は静雄をどうにか引き剥がそうと腕を突っぱねるが、静雄の力に臨也の力が叶う筈もなく、やがて諦めた臨也の手がゆるゆると静雄の背に回った。
するとまるで待っていましたと言わんばかりに静雄の手が臨也の骨ばった背をさわさわとまさぐりはじめる。臨也の背に、ぞわぞわとした嫌悪からではない粟立つような感覚が走った。
「……っ」
思わず臨也が息を詰めると、今度は静雄の熱い舌が臨也の薄い腹をベロリと舐めた。
「ちょ……んも、……っ」
臨也の制止の声になど構わず、それでも静雄は臨也の腹筋や臍をぺちょぺちょと舐め続ける。
まるで大型犬にじゃれつかれているようなこそばゆい感触に臨也が肩を竦めて悶えていると、調子に乗ったらしい静雄の舌が上へ上へと登ってきた。
「ふ、あ、はゃ」
腹筋の筋をなぞり、尖らせた舌先で胸の周辺を丹念に舐める。ぬるぬると肌の上を滑るような感触にぞくりと肌が粟立ち、自然と臨也の腰が浮いて媚びるように静雄の太ももに股間を擦り付けた。
「はぁ、あ、ふ、舐めるっ、ふぁ、て、こういうこと……?んん」
息も絶え絶えにそう口にすると、今まで一心不乱に臨也を舐め続けていた静雄が顔を上げる。飄々とした中にも濃い雄の空気を隠さず、小首を傾げて否定の意を示す。
「…………いや?」
そして臨也の首筋に顔を埋めると、先ほどまで背中をまさぐっていた手がいつの間に胸へと移動しており、既に尖りきっている色みを帯びた突起に触れる。
「あっ」
臨也が思わず上ずった声をあげ、咄嗟に身体を捩って静雄の手から逃れようとするのだがまるでそれを引き止めるかのように静雄はその小さな突起をつまみ上げた。瞬間、臨也の胸から背筋にかけてビリビリとした痛みが走る。臨也は思わず腰を上げ、ひくひくと震える。しかし、全体的に臨也の身体は静雄の下にあるため、自然と股間を強く擦り付ける形になる。
「ん、あっ、じゃあ、な、に、ぃ……?やぁ、くにくにしないでぇ」
人差し指と親指を使って擦りあげるように摘まむと、昨夜の事で一旦収まっていた熱が再びぶり返し、臨也はすぐに息を荒げ矯声をあげながら腰をくねらせる。
静雄は両手を使ってふたつの突起をくりくりと弄り回しながら、静雄は口を開いた。
「乳首。そういや昨日、乳首舐めてなかったの思い出した」
「は、え? ちょ、んんっ」
そしてそのままパクリと臨也の突起を口に含み、はむはむと唇の間で柔く食みながら突起の先端を擽るように舐める。静雄の力でこねくりまわされた突起は、そんなゆるゆるとした穏やかな刺激に対して次第にじんじんとした痺れを持ち始め、臨也の胸を切なく締め付けた。
そういえば、静雄はセックスの際必ずと言って良いほど臨也の乳首を舐めていた。女性のそれとは違い、膨らみも柔らかさもない胸を執拗に舐めて一体何が楽しいのだろうかと思っていたのだ。
「そ、んな、無理に、はぅ、やらなくてもぉ……うぁ」
自由に身動きがとれない臨也は、頭を左右に振りながら、静雄の頭を抱えるように身悶えた。
「し、ず、ちゃ、ぁん、も、ちくび、やだぁ」
生理的な涙で濡れた相貌が静雄を捉え、嫌々と頭を振りながら顔を傷んだ髪に押し付ける。
「いざや、ちんこ当たってる」
「ひあ……!?」
静雄の膝頭が臨也の股間にぐりりと当たり、グレーの下着がじわりと色を変えた。
「んふ、うぁ、しぅちゃ」
「ガチガチだな」
静雄は擦り付けられる臨也の硬くなった性器に対して一言そんな感想を漏らした。しかし臨也ほど乱れきっているわけではない静雄の手前、臨也は真っ赤になって涙を振り撒く。
先走りで敏感になった亀頭がぬるぬると滑る下着に擦り付けられてびくびくと震える。鼻に抜けたような矯声をひっきりなしに上げながら臨也は静雄の足に股間を押し付けた。
「前、さわ、ぁぅ、前さわってぇ」
煽るようにひんひんと喘ぎ、臨也は腰をくねらせた。しかし静雄にはそんな声など全く聞こえていないのかひたすら突起を舐めたりつまんだりし続けている。
「も、ちくびいやぁ……取れちゃう、取れちゃうからぁ! あぅ、やぁ」
舐められ吸われ噛みつかれ、執拗に弄られ続けた小さな臨也の胸の突起はヒリヒリと敏感になってしまっていた。
臨也が悲鳴を上げてもなお、静雄は芯を持って勃起しているそれをガリリと噛む。
「ぅあ!」
背筋に電流が走ったかのような刺激に臨也は静雄の首筋に爪をたてた。噛まれたそこがじわじわと熱を持ち始め、今度は労るように優しく舐めちゅうちゅうと吸い付く。
「あっ! あっ! すっちゃだめぇ……」
臨也がそう呟いた瞬間、静雄はちゅうぅ、と母乳を求めるかのように強く吸い付く。すると臨也の腰がびくびくと跳ね、胸をつき出すような格好になった。なので空いた方の突起は手持ちぶさたな手でクニクニと芯を揉みほぐすように緩急をつけて捏ね回す。
「やだぁ……とれちゃう、ちくびとれちゃうよぉ……」
うわごとのように呟き、臨也は嫌々と頭を振った。
「もぉやだ、だめぇ」
「…………きもちいい?」
「あっ……んあ、ふぁぁ」
びくびくと陸に揚げられた魚のように胸を押し付けている臨也の突起から口を付けたまま静雄は臨也を見る。
「だ、だめっ、も、なんで、そんな、もぉやだぁ……」
ついにぽろぽろと泣き始めた臨也は、静雄の腕の中で半身を捩り、敏感な突起を弄り回す舌から逃れようと腕を突っぱねた。
「暴れんな」
「ひっ」
「ここだけ感触違って面白え」
逃れようと暴れる身体を抑え、赤く腫れ始めた突起をぎゅうと強くつまみ、引っ張る。すると静雄の身体を挟むように開いていた臨也の足がシーツの皺を蹴りあげるようにピンと伸びた。
「そんなつよくしたらちくび千切れちゃぅぅ、だめ、やだ、も、いたい、も、噛んじゃだめぇ、ヒリヒリする、いらいよぅ」
「今噛んでねえじゃん。……そんな痛え?」
捻るようにつまみ上げられ、執拗に舐め回され続けた突起は既に真っ赤になっており、指で弾く度に臨也の身体がビクビクと震える。静雄は突起をつまむのを止め、親指の腹で柔柔と優しく撫でながら、ついにひぐひぐと本格的に泣き始めた臨也に向かって首を傾げた。
「赤くなってんな……さっきよりでかくなったか?」
弄る前と比べるとだいぶぷっくりと腫れ始めた突起をまじまじと見つめ、静雄はそこから手を離し、上半身を上げた。ようやく止んだ刺激に臨也がほっと息を吐く。
「ふっ……んっ、んん、も、つらい」
はぁはぁと荒い呼吸を繰り返しながら、ひりひりと痛む突起を庇うように身を捩る。それでも下半身は静雄の身体を挟んだままなので、完全に胸を隠すことはできない。更に、先程から射精に至るまでの刺激はなく、未だ股間は張り詰めたままだったがもうこれ以上静雄にここを弄らせるわけにはいかなかった。
「真っ赤だ」
「ん……っ、だめぇ」
そんな抵抗も虚しく、胸を庇うように横になった脇の間から手を差し込み、静雄はクニクニと突起の周辺を刺激する。それだけでビリビリと熱を持った敏感な先端に電流のような刺激が走り臨也は悲鳴を上げた。
「シズちゃ、っ、も、やめて、はれちゃうよぅ……」
「すげえ熱くなってる」
確かめるように触れ、臨也の脇の舌から乳首周辺をペロペロと丹念に舐めていく。半身を捻った状態で静雄に覆い被され臨也に逃げ場は無い。行き場のない両手がシーツを掴み、ひくひくと腰が震えている。
ざらざらとした舌の感触さえも敏感な先端は鋭敏に感じとり、行き場のない熱が臨也の中でグルグルと煮詰まっていた。
「ちくび、腫れてっから舐めとかねえと」
絶望的な静雄の宣言の合間に、臨也の乳首に熱い舌がねっとりと絡み付けられる。
「ぅう、あ、ひ、ゃあ、ちくび、おっきくなっちゃうぅ、やぁぁ……」








―――それから約数時間。

静雄はあれから飽きもせず臨也の胸を舐め続け、臨也は既に濡れてびしょびしょになった下着ごしの性器を腰を振って懸命に慰めていた。ほぼ身動きが取れない不自由な身体で手は使えないため、静雄の腹に立ち上がった性器の先端を押し付ける。
鋭敏になりすぎた突起は絶えず電流を流し続けたようになっており、臨也は静雄にそこを噛みつかれる度にビクビクと身体を震わせた。
「んあっ……! あう、い゛あ、ぁ、おひんぽ、いきらぃ、くるしぃよぉ」
ほぼ身動きは取れておらず、臨也の下半身はパンパンに膨らんでいる。それでも腰を微かに上下に動かす度に、静雄の固い腹筋に先端がちょんちょんと触れ、ぬるついた先走りを漏らす。
「も、ゆるしてぇぇ……、ちくびやだぁ、おひまい、おひまいにしてよぉ、変になっちゃうぅ……あんっ」
腫れあがったそこは既に何もせずともビンビンになり、噛みつかれたり吸われたりすると、ひりひりと痛む。臨也が無駄な抵抗をする度に戒めるように強く吸われ、臨也は嫌々と首を振ってその刺激から耐えていた。
「ぅ、あ、んあっ」
静雄は嫌がる臨也に何度も「治療」だと言い張ったが、舐められれば舐められる程臨也の乳首は鋭敏になっていく。既に今の臨也にはただの吐息ですら激しい刺激だった。断続的に漏れる荒い己の息にすら酷く感じる。
「いきひゃいっ、いきたいよぉっ、触って、さわってぇ、しぅちゃ、シズちゃぁんっ!!!!!」
感極まった臨也がそう叫んだときだった。

「――――――折原?」

聞きなれた流麗なソプラノが耳に入り、臨也は背筋を凍らせる。そういえば……と、午後から秘書の波江が来ることになっていた事を思い出した。