最初に言う、これはには全く意味がない。 意味なんてないのだ。 (意味なんてあってたまるか) はっはっ、と、浅づく息が肩にかかった。私は今、臨也を抱いている。 「………――っあ!」 ぐり、と僕のぺニスが臨也の直腸内のある一点を掠めた瞬間、ぎくり、と彼の身体が大きく震えた。 (ここが前立腺かなぁ) ぐり、ぐり、と執拗にそこを責め立てると、肛門がきゅう、と締まって一層内部の感触をぺニスに伝える。 臨也の『なか』は、想像していたよりもずっと柔らかく、熱く、ぬめぬめと湿っていた。 それは恐らく排泄のための腸液が直腸内の異物を感知して分泌されたものや、臨也がどこからか調達してきたローションのせいだろう。 とにかく僕は、今まで生きてきた中でセックスなんてものは生まれて始めてしたので、慣れない行為に四苦八苦しながらピストン運か、赤い飴玉みたいな相貌から大量の涙を流しながら臨也が頭を左右に振った。 「ね、臨也、きもち、いい?」 ぐり、 「ひん、ん、あっ!」 ぐっ、 「い、あ!ぁ、いっぅ、あう」 ずぶ、ずっ、ぐっ 「ここ?」 ぐっ 「ねえ」 ぐりぐり 「あ、あ、あ、ぃやぁ……」 ついにポタポタと涙を溢して泣き始めた彼の腰を掴み、強引に揺さぶると、臨也は嫌々と頭を振って僕にすがり始める。 「臨也、痛いの?」 最早耳に届いていないらしく、臨也は相変わらず泣きべそをかいて僕にすがりついたまま腰を必死に動かしていた。 臨也のはち切れんばかりに勃起したぺニスの先端が私の下腹部にごしごしと擦りつけられている。 服を着たままなので、擦りつけられる度に先走りが僕のシャツに擦りつけられてべたべたになるのだが、解剖や違法医療処置をするときには大抵これ以上に汚れることになるため別段気にしない。 そんなことよりも、臨也のぺニスの先端が摩擦で赤くなっていくのが気になった。 臨也は気持ちが良いから腰を動かしているのだろうが、この行為が終わったらきっとかなり痛むだろう。 「臨也、駄目だよ、よしなさい」 「…んひっ、あっあっあっあっ」 …………これは完全に飛んでる。 私の声など聞こえていないような素振りで、虚空を見つめながら腰を振る臨也に嘆息した。 いつからこんな子になっちゃったんだい?ねぇ臨也。 「痛くなっちゃうよ?」 一旦律動を止め、宥めるように言うが、ごしごしと相変わらず強い力でぺニスを擦るのを止めないため、仕方なく、僕は臨也のぺニスを片手で握り締める。 「ひ、っ!あっぁああ……やぇ、やあぁぁっう゛あ」 「ほらこんなに真っ赤だ……。気持ちよく、してあげるから、ね?だからいい子にしてて。臨也、わかるだろう?僕の言ってる意味わかるよね?」 「ぃたぁ、あっあぅ、つら、っ、あ、あ、ね、ぇだしたいだしっ、あ、だし、たぃ、のぉ…ねがっぎゅって、やだっ」 射精を咎めるように臨也のぺニスを強く握る。 どくどくと血の巡る音が掌を介して伝わり、内側に放たれている熱が放射していた。 「…〜〜っ!」 射精を抑止し、腹に擦り付ける行為も制したまま、再び前立腺を突き上げるピストン運動を開始すると、臨也が感極まったかのようにびくびく、と痙攣し始めた。 「あ、あ、あ、はぁ、ひ」 内腿を震わせながら、目を見開き肛門を締める。 「はふっ」 それがと、異常はないか確かめるように指でいじる。 さっきは手淫で必死だったため、そんな余裕はなかった。 「……ちょっ、ぁぅ、ひぁ」 くに、くにゅ、ぬちゅ、と卑猥な音を立ててひくひくと蠢く肛門に再び指を突き立てながら、再び頭をもたげ始めていた臨也のぺニスを柔く擦る。 ついに甘い声を上げ始めた臨也に微笑み、僕は臨也の白い背中に口付けた。痕は付けない。 何故ならこれは、 山もなければ意味もない。 (おれはちがう、ちがうんだ。ねぇ、新羅) それでも 嗚呼――なんて浅ましい。 終 |