俺は安形惣司郎。開盟学園生徒会長だ。
この学園の校風を創ったのは俺。
だがそんな俺には置き物生徒会長というあだ名がついている。かっかっか!
そんなあだ名がついているせいで、よく怠け者やらに勘違いされる事が多い。まあ実際結構怠け者なんだが。
だがしかし!俺にもプライドというものがある!
そういう風に見られて欲しくない人物がいるのだ。
一つ下の二年生で、学園生活支援部、通称スケット団と呼ばれる部に所属するあの子…


「可愛いよなあ……」

「え?僕?」

「S(そんなわけ)N(ないだろ)D(ドブ男)!」

「会長が可愛いとおっしゃられる女性は一人だけですわ。楢崎さんですよね」

「えっ、そうなんですか会長!!」

「うおおお!!デカイ声で言うんじゃねえ誰かに聞かれたらどうすんだ!!」

「うぐぅッ、安形!絞まってるから!」


道流達がいきなり俺の独り言に介入してきた。
しかも、その、何だ、俺の誰にも言ってないはずのことについて言って来るもんだからつい、道流の首を絞めてしまった。
何故道流なのかっていうとそこに道流がいたからだ。


「悪い道流」

「げほげほ……ひいばあちゃんが見えた…」

「まあ!大丈夫ですか榛葉さん」

「会長、会長は楢崎のことが好きなんですか?」

「核心を突くな、椿くん」


か…帰りてえ……!!
何で。何でばれてんだ…!
誰にも言ってないはずだ。道流達にも、サーヤにさえ。
それなのに何で!


「会長、いつも楢崎さんのことをご覧になられてますわ」

「まるで恋する乙女のようだ」

「そういえば会長、楢崎には優しいですね」

「そういう事ならこの恋の伝道師榛葉道流に相談してよ!」

「え、」


…俺、そんなに見てたのか…?
コイツら全員、しかも椿にまでばれてるとなると、相当な人にばれてるよなコレ。
え、ちょっと待ってまさか本人にはばれてないよな?大丈夫だよな?


「あ、ミーシャちゃん」

「あっ!?」

「ゴメン、嘘」

「……」

「痛、痛たたた!!ちょっ、ごめん!ごめんってば安形!」


ギリギリと道流にヘッドロックをかける。
今の俺は無表情に違いない。
あっ道流おちた。まあいいか。


「告白はしないんですの?」

「バッ!!いきなりすぎるだろ!!」

「会長なら大丈夫です!」

「Z(自信を)M(持て)D(ドブ男)!」

「何でそんなこと言うの!?」


大体、いきなり告白ってお前!
楢崎とは全然接点ないぞオイ!
唯一生徒会ってことでちょっと話したことあるくらいで…。
楢崎が俺の事、好きなはずがないんだ。


「(安形って意外と乙女思考だよね)」

「(お二人ともお互いを想ってらっしゃるのに…)」

「(ちょっとドキドキするな)」

「(まさか会長が楢崎のことが好きだったとは…気付かなかった)」







 
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