「…マジでウチに住むんですか?」
「マジでござる!」
「…(コクリ)」
おいおい勘弁してくれよ。
こっちは面倒事に巻き込まれたくないんだよ。
あなた方ならその辺のお姉さんに声かけたら泊めてくれるよ。
槍とか持ってなかったらだけど。
「勘弁して下さいよ旦那〜」
「佐助をご存知でござるかァァ!!」
「知らないです」
ナルトのライバルサスケなら知ってるけど。
というか今のセリフのどこに「佐助」要素が?
「わたし面倒事って嫌いなんです」
「そうでござるか!」
「……遠まわしに出てけって言ったんですけどね、今」
「なんと!?」
だって面倒事の頂点みたいな面倒事じゃないか。
何?戦国時代から来た人居候させるって?
それ快く受け入れる人いんの?
「…」(さらさら)
「わっまたか」
「破廉恥!」
「何が!?」
また風魔さんに手を握られてわたしの掌の上を指が滑る。
それを見て真田さんが破廉恥と叫び始めた。何故だ。
「も、し、か、し、た、ら、も、ど、る、か、も」
「真でござるかァ!」
「こ、こ、に、き、た、か、ら、こ、こ、に、い、れ、ば、も、ど、る、か、も」
「おお!風魔殿は頭がいいのでござるな!某思いつかなかったでござる!」
それはあなたがバカなだけでは…?
でもそうだよなあ。
気付いたらここにいたってことは、何かで繋がってるんだろう。
この家と、戦国時代が。
……信長繋がりじゃないだろうな…。
「…風魔さん、ご飯作れますか?」
「…?(コクリ)」
丁度いいかもしれない。
戦国時代から来たことと、武器持ってることを除けばただの男性だ。
凄く大事なところ除いてるけど。
だったら、この足でできないことをしてもらおう。
料理とか、掃除とか。
それを家賃代わりにすればいい。
「…しょうがないですね。このまま路頭に迷われてもわたしのせいみたいになっちゃうし」
「…!」
「ではここに置いていただけるのでござるかァァ!!」
「その代わり、風魔さんはご飯作って下さいね」
わたしがそう言えば風魔さんはコクリと頷いてくれた。
今気付いたんだけど毒とか入れられたらどうしよう。
大丈夫かな。大丈夫だよね。
「美柑殿!某は何をすれば!?」
「騒がず大人しくジッとしといてください」
それが多分一番いい家賃代わりだろうから。