「つまり、あなた方は戦国乱世から来たと」
「うむ!」
「……(コクリ)」
本気の目をしてる二人に、するりと言葉がでた。
「嘘だあ」
「某はっ!決して嘘などおおお!!」
「風魔さん、ちょっと真田さんのこと殴ってもらっていいですか」
「……」(ガツン)
「ぐはっ!?」
真田さん、本当に、喧しい。
あの人目覚まし時計として売り出せるんじゃないだろうか。
……クレームとかきそうだけど。
「あ、でもさっき信長知ってますみたいなこと言ってましたね」
「信長殿は乱世を揺るがす魔王にござる!」
「え、それって悪者じゃないですか」
それ子孫の前で言うか?普通。
まあ気にしないけど。
「ここは、一体…」
「…?」
「今は平成の時代です。乱世なんかじゃないですよ」
もう一度窓まで(腕の力だけで)移動して、7割くらい閉まっていたカーテンを開けた。
さっきようやく7時を回ったところだ。
あまり車が行ったり来たり、なんて活発な動きはしてない。
まあ元々この家都会から離れた場所にあるんだけど。
「ね?」
「…平和に、ござるな…」
「…(コクン)」
…風魔さんって喋れないのかな。
一言も声を発してないんですけど。
「ではこのような武器も必要ないのでござるかァ!!」
「ギャアア危ない危ない!!刃をこっちに向けないで!!」
真田さんがどこからか長い…槍?槍かあれ?
槍的なものを取り出してわたしに迫ってきた。
殺されるんじゃないかと思った。
「そんなもん持ち歩いてたら即捕まりますよ」
「なんと!!しかしそれでは自己防衛ができぬのでは…?」
「普通に生きてれば基本犯罪に巻き込まれる事ないんで大丈夫です」
というかあなた方なら武器なくても勝てるだろ。
「では、美柑殿の横にあるその棒は武器ではないのでござるか?」
「ただの松葉杖だチクショウ」
…まあ、武器になるかもしれないけど。
これ鉄製だし。