「とすれば…ここは魔王織田信長の城でござるかァ!!」

「とりあえず真田さん黙ってもらっていいですかね」


あなたのその大きな声は寝起きのわたしには辛いです。


「確かにここは織田家ですけど城じゃないですそんなたいそうなモンじゃないです」

「そういえば…城にしては小さいような」

「…殴っていいですか?」


今松葉杖持ってたら殴ってたんだけどな。
チッ。


「大体、信長って…とっくに死んでますよ」

「む?いつ討たれたのでござるか!?」

「(撃たれた?)何百年か前に、明智光秀に」


わたしでも知ってるのに。
っていうか信長って撃たれて死んだの?そうなの?


「あれ、そういえば風魔さんどこ行った」

「何百年か前、でござるか?」

「はい。詳しくは知りませんけどね」


っていうかござる?
このご時世にござる?
時代劇の役者さんか何か?


「…貴殿は、信長殿の…?」

「子孫です」


ひいが何個つくか分からないおじいちゃん。
それが織田信長ですよはっはっは。


「し、子孫!?」

「え、何でそこで驚くんですか」


多分織田って名字聞いたら皆そうじゃないかなって思うと思うんですけど。


「……」(グイッ)

「うわぉっ!?風魔さん?何ですか」


ちょ、風魔さん凄い引っ張ってくる。
力強いなこの人。
部屋の窓まで引っ張られた。というか引きずられてきた。
ほらわたし足動かないから。


「外がどうかしたんですか」

「…!」

「おお!あれは何でござるか!?」

「ただの車ですけど」


…この人達、記憶喪失とかじゃないよね?






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