ちょそべさんが増えて初めての夜が明けた。
わたしはいつものように真田さんの大声で叩き起こされた。
眠い目をこすりながら(だってまだ朝5時)、真田さんに抱えられリビングへ。


「…おはようございますー…」

「……(コクリ)」

「おう、おはようさん」

「ヒヒ、眠そうよなァ…不幸よ、不幸…ヒヒヒ…」

「誰だキサマ」


キッチンで朝食を用意する風魔さん。
昨日渡した携帯を弄りまわすちょそべさん。
私を抱える真田さん。
そして何か…何コレ?御輿?みたいなのに乗って浮いている謎の包帯マン。
えちょっと待ってこれ見えちゃいけない感じの人じゃないよね?幽霊的なアレじゃないよね?


「我は大谷吉継よ」

「冷静だなチクショウ!真田さんアレ知り合いですか?」

「うむ!」

「元気いいなチクショウ!」


また増えたのか…!わたしが寝てる間にまた増えたのか!
そして何故それを誰も知らせてくれないんだ!


「大谷さんはどこの人なんですか?っていうか人なんですか?」

「ヒヒ、我は太閤殿の軍よ。どこから見ても人であろ」

「いや人は浮かないですから普通」


タイコー殿?何?太鼓?
人ですらないものが軍を率いてるの?どういうことだ。


「主が織田美柑……不幸の星よ、降り注げ」

「何てこと言うんだ」

「ヒヒ、織田とは色々“オン”があるのよ」

「ああ、恩を仇で返すとはこのことを言うんですね」


何て言い合っていると、風魔さんが呼びに来た。
どうやら朝食ができたらしい。
テーブルにはきっちり五人分が用意されていた。


「(……大谷さんも住むんだな…)」


なんかもう、諦めが早くなった気がする。
我が家に転がり込んできた武将たちのせいで。


「(ヒヒ、我の“オン”は“恩”などではない…“怨”であろ…ヒヒ、ヒヒヒ…)」








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吉継の喋り方分かりません助けてください
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